コラム
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気がつけば収穫期、丹波黒さや大納言小豆
ムシロにいっぱい黒さや小豆を乾していた。黒枝豆の出荷に追われて小豆のことをすっかり忘れていたが、柳田農園だけでなく周りの畑では小豆の収穫がかなりすすんでいる。
毎年、柳田さん宅で天日干しの光景をみると、「もうすぐ冬だなぁ」と実感する。
黒さや小豆は、さやが乾燥して茶黒色になったものを毎日摘み取っていく。それをムシロの上で天日干しにして、スポンジ底の草履をはいて踏んでいく。
さやから出た小豆を寄り分けて、小豆だけをまた数日天日干しにする。その後は、小粒の豆、割れた豆、虫食いなど寄り分けて、さらにまた色の悪いものを取り除いていく。小豆の栽培自体は比較的やさしいけれど、手摘みで一個ずつ収穫した後に、こうした手間のかかる作業が待っている。柳田農園の「黒さや小豆」は日本一の高級ブランドだから、品質保持のためにも手抜きはできないのだ。
「今年、出来はどうですか?」と柳田隆雄さんに訊く。
「まあ、まあやな。去年まで田んぼだった土地に10年ぶりに植えたのが特にいいな」
「やっぱり連作はいかんですか」
「そうや、3年続けたらあかん。種も毎年、他の農家の小豆と交換して植えんとだめや」
「うーん、やっぱりね。今年、黒枝豆の収穫が悪かったのは、同じ畑で採れた黒豆を3年続けて同じ畑に植えたせいもありますね」
「小豆も黒豆も同じや。畑も種も変えていかんと、いいもんができなくなる」
柳田農園では今年、黒さや小豆を3反つくったそうだが、まだ収穫していない畑が1反残っているという。
「さやがまだ青い。今月中に、霜が降りるまでには収穫せんといかんのやけどな・・・」と、早霜を案じている。突然霜が降りたら、畑に残った小豆の収穫を諦めないといけない。
「夜は急にさむうなったなぁ・・・」
というのが今日この頃の挨拶。まだ薪ストーブをたくほどでもないが、炬燵を出している家は多い(ほとんどか?)。朝晩本格的に冷え込んでくるのは、小豆畑の収穫がほとんど終わり、初霜が降りるころだ。
炬燵をあえて使わないわが家では、3日前に薪ストーブの火をつけた。風邪をひいたせいか火がとても恋しくなったのだ(でも、やっぱりストーブは早いというので、オクラ入りしていた炬燵を8年ぶりに出してきた)。
なにしろ薪ストーブの火焚きは、最大の娯楽にして最大の趣味。だから本番の冬になれば炬燵は使わない(だろう)。薪ストーブの上で、取り除いたB級小豆をコトコトとお汁粉を炊いていたのを、つい昨日のように思い出される。
11月11日(日)、柳田農園恒例の収穫祭(丹波市春日町東中)。
毎年、京阪神から20~30人のお客が訪れて、小豆づくしの料理がふるまわれる。
柳田農園・あずき工房 http://shop2.ing-hompo.com/shop/item/list/azuki.html