コラム
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大阪発:全国伝統職人サミットin住吉大社
海の神様を祀る住吉大社、いまは海岸線から7キロも奥に入っているが、その昔は、地名に「隅の江」とも「青江」とも書かれたように青く澄んだ入り江だった。
昨年秋、住吉大社に初めて詣でた。富山県井波町の木彫刻師・南部白雲さんが、同社の彫刻の仕事をいろいろと手がけていたからだ。
なにしろ住吉さんは歴史が古く全国有数の神社で、海の神様だけでなく、いろいろな神様をお祀りされており、「種貸社」というお宮もある。「種貸社」は近いうちに建て替えることになっており、白雲さんはその関連仕事も請け負うようだ。
種というのは、文字通り植物のタネの意味もあるが、商売のタネすなわちお金の意味もあるらしい。すなわち、豊作や商売繁盛のお宮さんなのだ。神道は、人間の都合のよいように神様が現れるおおらかさがほほえましい。お守りの種類も多種多彩で、釣り用のお守りもあるのには笑ってしまった。
白雲さんとは「南部白雲工房百年史」を執筆して以来、かれこれ20年近いお付き合いになる。十数年前、『木彫刻と建築』を執筆したときには、全国の名刹をふたりしてヤジキタ道中を楽しんだ。
「わしらの伝統職人の技は、仕事がなければ途絶えてしまう」というのが白雲さんの口癖。その白雲さんが事務局長を務める「伝統職人技術文化研究会」が、住吉大社でおおがかりなイベントを開く。題して『全国伝統職人サミットin住吉大社』。大工、建具、木彫刻、金箔、仏師、屋根葺きなど、伝統建築には欠かせない職人さんが20名(職種)ほど集い、作品展示や技の披露もする。また、富山市の職芸学院教授・上野幸夫氏の基調講演、職人とのトークなどもある。
●開催日時
10月9日(火) 14:30~17:30
10月10日(水) 9:00~15:30
全国伝統職人サミットin住吉大社
●お問い合わせ 伝統職人技術文化研究会事務局 TEL(0763)82-0916
衣食住足りて何とやら・・・。食の伝統(日本食)が健康食として見直されている昨今、日本の風土にあった建築をつくる伝統職人技術もその価値を見直してほしいものです。
こんなに多彩な伝統職人の技を見る機会はめったにありません。きっと何か、発見があるでしょう。ぜひご来場を! 私もオブザーバーとして2日間参加します。 (村長 平野)
南部白雲木彫刻工房
http://www.nanbuhakuun.com/tsuchioto.html