高野渚 ネパール・シイタケ栽培レポート(3)

最初のモデル農家ビシュヌさん
今回はシイタケ栽培の普及活動について紹介します。

シイタケ栽培普及活動開始!の前に・・・
普及活動の方針は、幹線道路から離れた地域かつ半自給自足的生活を行っている農家を対象にした。最初はいきなり私一人の力で貧しい農家を対象にシイタケ栽培を教えるのは難しいと感じ、現地NGOの力を借りることにした。配属先である郡農業事務所の力を借りたかったがシイタケ栽培の普及経験者がいなかったため、まずは例を見せることに。郡農業事務所バラビセ支所のスタッフに相談すると、現地NGOのスタッフの一人、ビシュヌさんを紹介してくれた。ビシュヌさんはカルタリ‐3ブデパという地域で比較的大規模な野菜栽培の研修農場を開いる。ビシュヌさんにシイタケ栽培の普及をしたいから最初のモデル農家になってほしいとお願いをした。

「農業からお金を稼ぐ」ことを教える
ビシュヌさんはインドの大学で農業を学び、NGOで働く前に英語の教師として働きながら近隣の農家に自主的に農業を教えていた。彼は、幹線道路から離れた貧しい農家の暮らしを改善するためには、農業でお金を稼ぐ方法を学ぶことだと言っている。現地NGOがビシュヌさんの考えや活動を知りスカウトをし、NGOの農業専門スタッフに従事することになった。ビシュヌさんの考えの素晴らしいと思う点は、農業の技術を教えることではなく農業からお金を稼ぐことを教えることに重点を置いていること。現在、ビシュヌさんはカルタリ‐3ブデパ近隣の貧しい農家が研修生として働きながら技術を習得する研修農場の管理をしている。

シイタケ栽培普及開始!
快くシイタケ栽培のモデル農家になると言ってくれたビシュヌさんの協力を得てシイタケ栽培の普及活動が始まった。モデル農家を探すと同時に、私はネパールで働いている同じJICAボランティアのキノコ栽培シニアボランティアの協力を得て、私自身のシイタケ栽培技術の勉強、ネパールのシイタケ栽培農家訪問、ネパールのシイタケ取引事情の調査、シイタケ種菌やその他材料の調達方法を調べた。材料の調達などシイタケ栽培を始める準備が整い、シイタケ栽培の研修を企画した。

シイタケ栽培研修
第1回目のシイタケ栽培研修2012年2月3日カルタリ‐1ティンプレ
第2回目年2月9日、カルタリ‐3ブデパ
第3回目2012年3月11日、カルタリ‐3ブデパ
それぞれ参加者数は、11名、11名、71名だった。第1回目は配属先のスタッフが1名、第3回目は他のボランティア3名と現地NGOのスタッフ6名が参加してくれた。
私が帰国した後も誰かが教えられるよう、配属先のスタッフや現地NGOのスタッフがいてくれてとてもうれしく感じた。研修では、主にシイタケ栽培の方法やシイタケの性質と病虫害についての講習を行い、植菌の実践を行った。
第3回目の研修の最後にシイタケの種菌が必要な人数を記録し、後日モデル栽培用として、シイタケの種菌を配布した。

高野渚
青年海外協力隊
隊次:22年度3次隊
職種:村落開発普及員
任国:ネパール
任地:シンドゥパルチョーク郡バラビセ
配属先:シンドゥパルチョーク郡農業開発事務所バラビセ支所