丹波篠山発: 盛会におわる第10回「里山人交流会」

 今年で第10回目を迎えたオフィス・キムラの「里山人交流会」。8月26日、丹波(丹波市・篠山市)に移住した29組70名の参加者で盛り上がりました。


移住者たちの親睦会
今日もうだるような暑さだ。朝6時半から畑の草刈りを8時半まで、その後は村の寄り合い。少しバテたので昼頃に遅れて行った。
会場は、「ユニトピア篠山」(パナソニックグループ労働組合連合会・休暇村)の第1キャンプ場。なにしろ広大な敷地だから、入口で車を駐車場に置くと、そこからマイクロバスで会場まで送ってくれた。
すでに昼食が始まっている。やきそば、カレー、竹筒に巻いて焼いたパン、あまごの塩焼き、デザートにはスイカやお菓子など。また、ビールのつまみに早生の黒枝豆も出てきた。
前にも書いたように、この交流会は丹波の不動産会社オフィス・キムラが感謝の思いをこめて主催するイベントで、同社のお世話で田舎暮らしを始めた家族の親睦を目的としている。
ざっと顔ぶれを見渡す。移住した当初は毎年参加していたけれど、この数年はご無沙汰していたので、知らない人がほとんどだ。何かとお世話になっている佐藤さん夫妻や川浦さんのいる席がちょうど空いていたのでそこに座る。川浦さんの横に、見覚えのある人がいた。この春、川浦さんを取材した折に、ブルーベリー畑で手伝っていた田中さんだった。すっかり日焼けして、立派な百姓顔である。
彼は機械設計の仕事を辞めて、新規就農を目指している、と言っていた。いまも川浦さんの畑を手伝いながら、自分の畑も借りて、丹波で空き家を探しているところだという。
「空き家はたくさんあるんですが、貸してくれるところがなかなか見つからなくて。仏壇が置いてあるし、自分の目の黒いうちは家を守りたいという人が多いんですね」と田中さん。
「だいじょうぶ、そのうち必ず見つかるから。それより、農業でどうやって食っていくかよく考えないとね。参考になると思うので、近くでがんばっている越前さんという人を紹介しますよ」とぼくは言った。
彼の奥さんは田舎暮らしにはまったく関心がないらしく、単身赴任。農業で自立していくとなると一人では大変である。だから、奥さんを亡くし脱サラして神戸から移住、平飼い卵・シイタケ栽培・米づくりでがんばっている越前さんを紹介しようと思ったわけだ。
田中さんは、近いうちに訪ねてみたいと言っていた。

共通する田舎暮らしの思い
昼食がおわるころ、やがて自己紹介(3分スピーチ)が始まった。年代は、団塊世代の夫婦が圧倒的に多く、野菜づくりを楽しみ田舎暮らしの楽しさを満喫していると、話はだいたい共通している。毎年欠かさず参加している人もけっこう多く、初めてという人のほうが少なかった。
ぼくの自己紹介がおわると、それまで気づかなかった何人かの人から声をかけられた。
そのうちの一人は、高校教師を定年退職してから単身で移住した女性で、昨年秋ごろ、田舎元気本舗に訪ねてきたことがあった。東日本の被災者に野菜を送りたいが・・・、という相談だった。その相談は具体的に煮詰まらないまま経過していたので、今度はぼくが、「南相馬市に野菜を送りたいので協力してほしい。詳しいことはうちのホームページをみておいてください」と頼んだ。
自己紹介のあとはビンゴゲームで盛り上がり、3時過ぎに散会。楽しく有意義な交流会だった。
都会から田舎に移住する人たちの思いは共通するところが多く、地元住民が気付かない、あるいは見過ごしている田舎の良さやマイナス面を体感している、ということを今回もつくづく感じた。高齢化がますます加速する地域を活性化していくためにも、丹波市も篠山市もこうした移住者の知恵や活力をもっと積極的かつ継続的(計画的)に取り組んでいくべきだろう。両市はむろんそうした努力をしているが、予算不足でできないこともあるだろう。その意味においても、オフィス・キムラの「里山人交流会」はその一役を担っている。 (平野)

オフィス・キムラ(株) 0795-80-1500
http://www.office-kimura.com/