丹波産 はぐれザルが出たぁ!

盗んだカボチャを置いて逃げた
キャーッ、××××!! 誰かが叫び声をあげていた。7月22日、お昼前頃。最近ようやく猛暑になってこの夏7回目のクーラーをつけた事務所で、業者さんと打ち合わせをしているときだった。

またゴキブリでも出たのかと思ったら、「サルよ、サル」妻がコーフンして、台所の外を指さしている。手には、爆竹を持っていた。ミッチーもコーフンして吠えている。
「ほら、あそこの屋根に」。
見るとカボチャが置いてある。昨日収穫したばかりのカボチャ20個ほどを、水分をとばすために外の台に並べて置いてあった。そのうちの一つ、直径15センチの手頃なやつをサルは抱えて逃げたらしい。
「わたしの声に驚いて溝に落としていったのよ」
ところが、妻が近所の人を呼びに行ってもどってくると、サルは薪置き屋根の上にいた。溝に落としたカボチャを拾ったらしく、食べようとしている。もう一度、妻が声をあげると、サルはせっかく盗んだカボチャを屋根に置いて裏山に逃げた、というわけだ。数分のストーリーである。

集団移住しないでね
ババババーン、ババババーン、ババババーン。ぼくは、姿の見えない裏山に向けて、爆竹を3連発。脅しの爆竹を鳴らしておかないと、またいつサルがくるかもしれないからだ。
3年ほど前にも、1匹のはぐれザルがわが家に訪問して、裏山の栗の木にのぼって器用にイガグリを剥いていた。このときも第一発見者の妻が「コラーッ」と叫ぶと、歯を剥いて木をゆすりながら威嚇したそうだ。
丹波市のとなり篠山市は、サルの集団があちこちにいる。猪や鹿とちがって、サルの集団となると、畑の作物はどんなに柵で囲っても防ぎようがない。その群れのなかのはぐれザルが、丹波市まで越境してくるのだ。丹波でも、我が家から3つ、4つ向こうの山には集団サルがいついているところもあると聞いているので、戦々恐々なのだ。いつここちら(春日町野上野)に集団疎開してくるかと。
はぐれザルが、屋根に残していったカボチャを回収すると、3カ所ほど齧った跡。
その歯型を見て、おもわず笑ってしまった。ちゃんと挨拶して「お腹すいてるから、ちょうだい」と言ってくれたら、カボチャの1つや2つあげるのに。だから、集団で移住してこないでね。たのみます、お願いです、はぐれザルさん。 (村長 平野)