コラム
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大阪から「丹波の農業支援プロジェクト」
晩婚化が止まらない!
2010年の国勢調査(速報)によると「未婚率は各年代で上昇し、結婚していない30代後半は、男性で34.6%、女性で22.4%」で、過去最高を記録した。
女性(未婚率)の場合は、10年前と比べて30~34歳で6.8ポイント増(33.3%)、35~39歳は8.4ポイント増。40~44歳では7.9ポイント増(16.6%)。
(65歳以上も過去最高の23%、15歳未満の年少人口の割合も13.2%に低下しており、少子高齢化がさらに深刻化している)
農家の男性の未婚率はどうかというと、40歳をすぎても24%が未婚で、他残業と比べても高いという。
たしかに、農家のヨメ不足の問題は、1970年代以降、日本経済が成長するにしたがってクローズアップされるようになり、いまでもその状況は変わらない。農家を継ぐのは長男が多いので、「嫁姑の問題をかかえやすい長男は嫌、閉鎖的な田舎のお付き合いは嫌、3kでダサイ、年収600万円以上ないと困る」等など、選ぶ女性側の意識が農家男性の未婚率を上げる要因になっているのも事実だろう。
しかしそんな社会情勢のなかでも最近は、「農業はかっこいい」と見る女性も増えつつあるようだ。
好意的な提案
「この大阪にも農家に嫁いでもいいという女性はけっこういるよ。平野さん、丹波の農業支援プロジェクトを立ち上げたから、関係者やキーマンに会いにいきたい。そちらのほうでさっそく段取りして。丹波のためだけでなく、田舎元気本舗のためにもするんやで」
東大阪に住む福西裕先生からそんな電話があったのは昨年12月中頃だった。こちらはそれどころではない事情もあってあまり気乗りがしなかったが、小社の株主でもある先生には大変お世話になっている。好意的な提案を断るわけにもいかないし、「わかりました」と返事をした。
福西先生はかつて創業したIT企業をジャスダックに株式上場まで実現させた。その後、ベンチャー起業家の発掘・育成・支援のためベンチャーキャピタリストとなった。立命館大学大学院の講師・客員教授を5年ほど勤め、著作に『失敗の実態から学ぶベンチャー企業経営の条件』等がある。とにかく厳しいビジネス世界で成功した方なので、商売のイロハも知らない私などは、よく手厳しいイエローカ ードやレッドカードを突きつけられる。
丹波市につなぐ
福西先生からの提案は、丹波市の定住促進委員会のスタッフ・小橋昭彦さんを通じて、丹波市の担当者につないでもらった。すると、年の瀬には「1月6日、3人で相談に行く。ぼたん鍋も食べたいのでよろしく」と福西先生。さすがにやることが早い。
その当日は、小橋さんたちが運営する空き農家を活用した 「古民家劇場」で会うことになった。丹波市の担当者3名と小橋さん、福西先生のプロジェクトメンバー2名(堀越さん、木原さん)と私の8名で打ち合わせ。今回は互いに初顔合わせなので、小一時間でお開きになるかと思っていたが2時間半。
「募集するのに婚活ツアーとするのはどうも。やはり丹波の食農を体験するというメニューのなかで婚活にしないとね」
総論的にはそんな意見でまとまり、募集人数や予算、具体的なイベントメニューの話まで進展した。
この後、福西先生たちを丹波カルデンや春日の局(お福)の生誕地(興禅寺)、温泉旅館や我が家にも案内し、予定時刻より2時間遅れ(午後5時)で農家民宿「花ひろ」に到着、ぼたん鍋を囲み山名酒造の名酒「早春賦」で乾杯。
さてさて、今後どのように展開していくのでしょうか。ほんとうに都会の女性たちは来てくれるのか、期待と不安半々ながら楽しみでもあります。 (2012.1.9 平野)