全国ブランド・丹波栗の再生プロジェクト

1万年前の縄文人のような気持

s-DSC_kuri11905.jpg
 我が家の裏山には栗の木が2本ある。そのうち1本は家の屋根にも届くほど枝を伸ばしはじめている。9月に入ると、ポロリ、ポロリと落ちてくるクリ拾いが朝の日課(土地の所有者が拾いにこないので)。1万年前の縄文人のような気持で、山の恵みに感謝、感激! 地主様に初獲りを収めると、あとは好きなようにと言ってくれるが、妻はせっせと渋皮煮をつくって届けたりしている。縄文人は面倒な渋皮煮など作っていなかったはずだが、これは我が家の贅沢なデザート保存食。あぁ、ありがたや!

丹波栗のニーズは高まる一方

 この丹波栗、全国ブランドになっているが、高齢化の波には勝てない。1本、2本のクリ拾いなら楽しみだが、栗園となればそうはいかない。管理して育てる作業は労働になる。だから年々、生産量は減り続けている。栗は古くから和菓子には欠かせない素材だが、近年は洋菓子にも多く使われるので、昔から味も品質もよいと評判の丹波栗のニーズは高まる一方だ。
そこでいま、丹波栗の再生に向けたプロジェクト(23年度から3カ年計画)が、兵庫県や丹波市・篠山市、両市JAをあげて動き出している。丹波市内には「丹波栗生産組合」(仮称)も設立され、苗木購入への助成、栽培・剪定などの講習会などもおこない、丹波ブランドに恥じない丹波栗の増産を目指そうというものだ。

丹波では「銀寄」や「筑波」を推奨

 近年も次々と新しい栗の品種が生まれているが、代表的な品種としては、「丹沢」「国見」「筑波」「銀寄」「石鎚」などがある。熟期順に次のような特性がある(JAひかみの会報誌『丹波ひかみ』参照)。

・丹沢  早生種の代表的な品種。熟期は兵庫県南部で8月下旬〜9月上旬。
・国見  早生種で早くから安定して実がなる。食味がやや劣る。熟期は9月上旬。
・筑波  中生の代表的な品種で、日本で一番多く栽培されている。大果で外観・品質がよく、若木のころから実がよく成る。熟期は9月上旬〜10月上旬。
・銀寄  丹波栗の代表品種。大阪府豊能郡の原産で、江戸時代に生まれた。大果で食味と香がよい。熟期は9月下旬〜10月上旬。
・石鎚  晩生種で熟期は10月上旬。果実がよく成り、品質・貯蔵性にすぐれる。
ちなみに丹波では「銀寄」や「筑波」の増産をとくに推奨している。
   さて、我が家の裏の栗は・・・熟期からすると国見と筑波だろうか?   (2011.9.21   HT)