コラム
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26種の木に名札つけ
風にそよぐソヨゴ
山崎さんが下見していた木枝には目印の黄色いテープを貼ってある。その木にプラスチックの名札をつけるわけだが、私も含め10人以上いるメンバーの誰も、木々の名前がわからない。マツ、スギ、ヒノキなど以外はひっくるめて雑木だ。もちろん、クリ、馬酔木、カシ、サカキ、ヒサカキ、ツツジ(ドウダンツツジ、コバノミツバツツジ)ぐらい知っているが、山崎さんが選んだのはネジキ、リョウブ、ソヨゴ、コシアブラ、ウリカエデ、ヤマウルシなど26種。この山は植生が豊かで、実際はこの何倍もの種類があるという。
「葉っぱと木肌を見ればわかる」と山崎さんは言うが、説明を受けた先から名前を忘れてしまう。
「風にそよぐ姿が美しいので、ソヨゴと名づけられた。葉っぱが波状になっていますよ」
なるほど、たしかに。そういうイワレを聞くと覚えやすい。雑草という名の草はないように、雑木という名の木もない。
ばっさり伐られた幹の上に新たな枝を伸ばし、下の幹の葉よりずっと大きな葉っぱを芽吹かせている木。これも自然の生命力かと感心する。岩の擬態のような名も知らぬキノコにも当然、存在理由があるのだろう。
高校の理科の授業では、かくれて小説ばかり読んでいた。里山くらぶのメンバーたるもの、もっと山の自然を勉強しなくてはと反省しきりでありました。
(2011.9.10 H.T)