コラム
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ハバロスクのキュウリ
さっそくこの5月初め頃に植えてみた。その結果、ご覧の通り。7月16日に撮影。
ハバロスクの屋外市場で売っていたキュウリ(昨年9月末)は、先端が丸まって いるが、たしかにキュウリの形をしている(左写真)。
ところが、丹波の畑で採れたハバロスク産キュウリは、似ても似つかぬ姿に変わっていた。種播きや収穫時期、気温の違いだろうか。皮は固くてそのまま食べられそうもない。皮をむいてみると、みずみずしいキュウリの顔が出てきた。食べてみると、甘みがあってなかなかいける。ぬか漬けはだめでも、大きくて多い種をのぞけばサラダには使えそうだ。しかし皮が黄色になったものは、瓜のような甘みが増しているかと思ったが、腐りかけた酸っぱさ。
柳田農園(田舎元気本舗の農商工の提携先)の柳田隆雄さんが復活させた丹波大納言黒さや小豆を、同じ丹波市内で植えてみても、2年後には鞘の色が変わってしまう(黒さやが茶さや、白さやに)。 また、丹波の黒豆をよそに持っていっても(たとえば東北)、うまく育たないとも聞いている。
在来種の種は、それほど生まれた土地に愛着を持っているということなのだろう。植物にかぎらず、そこは人間も同じ。四季のうるわしい日本に生まれた人は、砂漠のような風土に暮らすのは耐えられないが、砂漠の民にとってはそこが故郷なのだ。だが人間もその土地で生まれた二世、三世、四世となるにつれてその土地に根付き、愛着をもつようになる。 生命の適応力というはすごいものだ。
植物も何世代もかけてその土地に適応(変化)していくが、その固有の遺伝子をつくりかえて広範囲な土地にも合うように、生産性や収量の安定をはかったのがF1種。在来種を大事に保存する会(農家)は全国各地に広がっているものの、ふだん私たちが食べている野菜の多くはF1種のものだ。世界の種苗会社は将来の食糧危機をにらみ、遺伝子操作で農薬や害虫に強い種を開発するなど、熾烈な種合戦をくりひろげている。F1のような人間が増えると想像すると、コワイ ですねぇ...
(写真右下:右端の種は、F1のかぼちゃの種)
(2011.7.16 村長 平野)