コラム
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「今ここにある未来」
「ひょうごの在来種保存会・通信19号」より
「今ここにある未来」 藤本 傑士
丹波市で「三心五観」という自然食農家レストランを営んでおります藤本傑士です。
ここのところ、貧乏暇なしで、とても興味深い保存会の行事にもなかなか参加できず、残念な想いを持ち続けていました。そんな中、「未来」というテーマで、この通信の原稿を書くように仰せつかりました。
昨年三人目の子供が生まれました。いつの時代も「子供たちの未来に何を残してやれるだろう? 何をしてあげられるだろう?」と考えたに違いありません。戦後焼け野原になった日本の大人たちもきっと、「子供たちが豊かに暮らせる日本にするんだ」という強い意志の下、なりふり構わず働いた結果、世界が驚くほどの経済発展を遂げ、そのおかげで私たちは不自由なく豊かに暮らすことができています。
しかしあまりにも急激な経済発展は、恩恵だけでなく代償も大きく、これからの子供たちの未来が脅かされています。今度は大人になった私たちが子供たちの未来の為に何ができるのかを考え、行動する番だと思いますが、放射能汚染、地球温暖化、エネルギー問題、遺伝子組み換え…、どれも問題が大きすぎて、どこから始めたらいいかわかりません。
その問いにインドの平和活動家サティシュクマールはこう答えています。私は「食べ物から始めよう」と答えます。ちゃんと食べることが、世界の大問題への取り組みなのです。「よき食生活」とは、地球への負荷を減らすことを意味します。
肉をはじめ、多くの食品が世界の隅々に運ばれ、大変な環境負荷となっている。排出される二酸化炭素の18%が、食産業に由来している。食べ物を生産し、貯蔵、輸送し、冷蔵するために、何十億バレルという石油を燃やします。
このように現代の食べ物は、環境にも有害ですが、私たちの身体をも蝕んでいます。食生活が肥満やガンを急増させています。社会全体が食べ物のせいで非常に不健全です。
おまけに地球温暖化です。さらに、浪費的で不公平な社会の仕組みが、貧困を生み出す。だから、世界の問題を解決する第一歩は、あなたの今日の食事からです。食卓に何がのっているか、どんな食べ物を口にするか、です。地域の、天然の、オーガニックのものを選ぶ、そうすれば、あなたは健康で幸せになり、社会に正義が、生態系にバランスがもどり、地球温暖化もなくなるでしょう。そして何より、「おいしい!だからうれしい」。
三心五観では、健康や美食の為だけではなく、未来の子供たちの為に、なるべく自分たちで野菜や米を育てて、肉(家畜)、卵、牛乳と言った動物性たんぱく質や上白糖、添加物は使用せず、「地の物」「旬の物」「本物」の食材や油、調味料を使うようにしています。
未来は今の連続。今できることをコツコツやっていこうと、子供たちの可愛い寝顔を見て思う今日この頃です。今できることのひとつとして、今行っている活動報告や日々思うことなどを昨年から毎日ブログで情報発信しています。よかったらご覧下さい。
http://ameblo.jp/3shin5kan/