梅干の味

私は梅干の味を知っている。孤独が、貧乏が、病苦が、梅干を味はせる、

梅干がどんなにうまいものであるか、ありがたいものであるか? 
病苦に悩んで、貧乏に苦しんで、そして孤独に徹する時、梅干を全身全心で十分に味ふことが出来る。

出典:山頭火著作集Ⅲ「愚を守る」 新潮社新書