軽トラ5杯分の「たき火」をしながら

「庭の木を伐るけど、平野はん、もらってくれんかね」と近所のおばあちゃん。
「いたただきますよ。でも、あの松の木も伐ってしまうの? もったいないな・・・」

というわけで、もらい受けたものの、薪ストーブの薪になるような木はほんの少しだった。軽トラ5杯分運んだが、松や槇の葉が7~8割ほど。太さ20センチほどある松の幹は、初詣のときに境内で燃やす薪にするため熊野神社へ運んだ。残りの大半は畑の空き地で燃やすことにした。
松の木は玄関前にあり、何十年も剪定してきた枝ぶりがとてもよく、植木として売れたらおそらくン十万円にもなるだろう。おじいさんも若旦那も亡くなり女所帯になったことから、「もう庭木の手入れができない」ので伐ることにしたという。寂しい話だが、迷った挙句ようやく決断したのだろう。
立派な石組みのある庭なので、木を譲りうけたい人がいても、根っこから掘り起こすわけにいかず、先週、地元の業者さんに頼んで根元からばっさり伐っていた。庭木は全部伐る、とおばあちゃんは言っていたが、やはり忍びなかったのだろうか、金木犀ともみじ、太い樫の木など4本だけは残していた。

松も槇の葉も油があるのでよく燃える。火が風を呼ぶので、広々とした空き地で燃やしても炎が高くなると危ない。枯草に飛び火したらたいへんなので、3時間ほどかけて黙々と燃やした。何も考えない、何も思わない、この黙々とした時間がいい。
薪の収穫は少なかったが、庭の隅にころがっていた一抱えほどある石を数個もらった。その石を軽トラに乗せるとき、石斧の形をした石を拾った。手に取るとずしりと重い。12.5×5.5×2.5センチ。木の柄をつけて蔓でしばったら、イノシシをも倒せる道具になる。なぜこんなところに落ちていたのかはともかく、縄文期の石斧に違いない。
想定7000年前のこの石斧が、今日のいちばんの収穫だった。タイムスリップするおもちゃがまた一つできた。