最新「地震総覧」に携わる 阪神や東日本地震研究 

701年の地震では、 3日間にわたり揺れが続き、 若狭湾内舞鶴沖にあった南北6・4キロ・東西2・4キロの島が海中に没したと記載。(丹波新聞より)


石井さんは、 東京電力の関連会社の東電設計建築本部調査部長。 原子力発電所の立地や安全にかかわる地震観測を担当し、 文献を調べるなど過去の震災について研究を続けている。 石井さんによると、 阪神淡路大震災発生時の約400年前に、 同程度の災害を伴う地震が発生しており、 専門家には再来ではないかと考えられていたといい、 「地震現象の解明、 防災対策の一つとして、 過去に発生した地震の調査が必要。 被害をもたらした地震について、 場所と時期を特定し、 被害の実態を明らかにすることが地震現象を把握するために重要になる」 と発刊の意義を語る。
丹波に関する記述としては、 現在の丹後を含めた丹波の国の時代の701年と、 1865年の播磨・丹波の地震の被害状況を書き込んだ。 701年の地震では、 3日間にわたり揺れが続き、 若狭湾内舞鶴沖にあった南北6・4キロ・東西2・4キロの島が海中に没したと記載。 1865年の地震では、 加古川上流域の杉原谷 (多可町) で多くの家屋が破壊され、 多田銀山 (猪名川町) で14―15回の地震があったという記録が紹介されている。
共同執筆者の一人、 宇佐美龍夫東京大学名誉教授は、 「ハザードマップや緊急防災システム整備が進み、 テレビで地震情報を素早く知ることができるが、 それらの効果を十分発揮させるためには、 過去の地震を熟知していることが必要」 と書き、 同書が地震被害の軽減に役立つことが期待されている。
石井さんは、 宇佐美名誉教授が約半世紀にわたり続けている、 歴史地震の史料調査にも数年前から参画している。 1975年に刊行された 「日本被害地震総覧」 (初版) のあと、 ほぼ10年おきに版を重ねてきた被害地震資料を全面的に改訂し、 阪神淡路大震災、 東日本大震災といった最新の資料を盛り込んだ。 地震研究だけでなく、 防災対策、 都市計画などにも役立ちそう。
B5判712ページ、 2万9400円。 石井さんに連絡すれば、 2割引になる。 石井さん (東電設計建築本部建築原子力部地震G、 電03・6372・5699、 FAX03・6372・5157、 Eメールh_ishii@tepsco.co.jp)。

丹波新聞 2013年11月24日 より

コメント:この丹波は地震をはじめ大災害は少ない土地柄だが、「南北6・4キロ・東西2・4キロの島が海中に没した」とは、ド超級の大地震だ。大丹波国は、この701年の大地震の後、丹後と丹波に分かれたわけだ。
それにしても、こうした研究があればなおのこと、「想定外」は使ってはならない言葉だった。