ねこめし:町を元気に 備前の郷土料理PR

「ねこめし」を知っていますか−−? 「ねこまんま」ではありません。答えは備前市の神根(こうね)地区に伝わる郷土料理。

サバや野菜を加えた混ぜご飯で、「ねこ」は保温用のわらのかごだ。地元小学校の元教諭らが知名度アップに努め、ねこめしを食べるために県外からやって来る人も現れた。【五十嵐朋子】
備前市の観光名所・閑谷学校から北へ約10キロ。紅葉の美しい山あいの集落が神根地区だ。地元の女性たちがねこめしを作ると聞き、今月16日、小さな公民館を訪ねた。サバ料理を楽しもうと愛好家でつくる「全日本さば連合会」のメンバーが東京からやって来て、ねこめしを試食するという。
試食会は、市立神根小の元教諭、松本粹(やさし)さん(60)の呼びかけで実現。松本さんは昨年、担任した3年生のクラスで壁新聞を作ったことをきっかけに「神根ねこめし広め隊」を結成。「ねこめしで町を元気に」を合言葉にPRに努めている。サバの産地のイベントなどで全国を訪れている連合会の存在を知り、連絡を取ったという。
公民館では、香ばしいしょうゆの匂いの中で、8人の女性が手際よく準備を進めていた。サバにおろしショウガを加えて炒めながらほぐし、ニンジンやゴボウを煮る。この日は、汁物に使っただし昆布も加えた。宮本福子さん(83)は「ねこめしは、貧しい時代、子どもを食べさせるためにできた“お母さんの知恵”だと思うんです。材料も家庭によって違うんですよ」。
「ねこ」はおひつがすっぽり収まる大きさで、保温ジャーが普及するまで使われていた。子どもの頃、家にねこがあったという谷川清子さん(74)は「朝たいたご飯も、晩までぬくかったですよ」と振り返る。
出来上がって間もなく、全日本さば連合会のメンバーが到着した。メンバーでライターの池田陽子さんは「素朴で懐かしい味。絶やさずブレークさせてほしい」と満足げな表情。作り手たちも「わざわざ来てくれるなんて」と喜んだ。ねこめしが、地域に彩りを添え始めている。
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◆ねこめしの作り方◆
<材料>(5人分)
白米3合、サバ200グラム、干しシイタケ3枚、ニンジン100グラム、ゴボウ100グラム、カンピョウ50グラム、タケノコ50グラム、ショウガ50グラム
A(しょうゆ大さじ3、砂糖大さじ3)
B(しょうゆ大さじ3、砂糖大さじ3、だし汁2カップ)

毎日jP (毎日新聞 2013年11月22日 地方版)より

コメント: 「ねこめしは、貧しい時代、子どもを食べさせるためにできた“お母さんの知恵”だと思うんです。材料も家庭によって違うんですよ」というのが、イイネ。まさに食の原点。