山茶花や 見る人もなく 咲き誇り

近くの山すそには大木の山茶花の白い花が満開だ。花が好きだった主がここに花木園をつくり、何十年もかけて育てたらしい。


主が亡くなってから(ぼくが丹波に移住して間もなく)多くの花木が伐られ、残り少なくなった。雑草が生い茂り、真夏はことに丈長い草やつる草で残された花木が隠れるほどになる。でもこの時期になると枯草の間から山茶花の木が姿を現し、濃い緑の葉の間に清楚な白い八重の花びらをいっぱい覗かせる。もう誰も見ていない、晩秋の青空の下に・・・。
西宮から共に引っ越してきた、我が家の庭の山茶花は鮮やか赤だ。ツワブキの花も枯れて、ふじばかまと菊のほかに花を見ない庭に、紅葉と山茶花とムラサキシキブ、南天と千両の赤い実が冬の到来を静かに告げている。

共に来し 山茶花の咲く 十歳(ととせ)かな

妹と添い 美しき火を ながめいり

妹と居て ストーブの炎 懐かしき

南天や 朝日を呑みて たわわなる

1122(いい夫婦)の日に詠める・・・・空