サルスベリの花が散りはじめて

夏の半ばから「もう、たまらん!」と体も心も叫んでいる。
ここ十数年、この繰り返し。

炎天下の甲子園球児たちがまるで超人にみえる。
8月半ばまでがんばって草刈りをしてきた畑は
繊維の固い雑草に覆われている。
刈られても刈られても
草はだんだんしぶとくなって未来種を残すのだ。

四季のなかでいちばん花色が少ない庭に
サルスベリが白とピンクの花を鈴なりに咲かせている。
巫女さんがもつ舞鈴のようで
リーンリンリーンと
微風にゆれてかすかな音が聞こえそうだ。
お盆のころから咲き始め、ご先祖さんの魂を送迎してくれた。

それから2週間、あたりの空気を華やかに彩っていたが、
数日前から花びらをぽろぽろと散らしはじめた。
夏がもうすぐ終わるのだと思うと、うれしいような寂しいような

九十九里浜で遊んだ子どもの頃
お盆が過ぎると急に波が荒くなり、
有縁無縁の魂をのせた太平洋が遠のいていった
そのときにいつも感じた寂しさのような
夏の終わりを惜しむように、
サルスベリの花びらが散りはじめている。     

                             空太