子ども3人連れ留学てんてこまい記(3)

 行ったら勝手に覚えるやろ

 子ども達の英語教育について、私は渡米前に準備を考えたことがありませんでした。特に真ん中の野原は、まだ日本語もおぼつかない感じで、とても第二外国語なんてと思っていました。上の風葉に対しては、私の母から散々「あんたが日頃から少しでもおしえてやったらいいのに」と言われていましたが、私にはまるでそんな気がなく、「行ったら勝手に覚えるやろ」ぐらいにしか考えていませんでした。なので母は風葉をふびんに思ったらしく、思い切り日本語の発音で「サンキュー」、「ナイストゥーミーチュー」などと教えていました。私は馬鹿馬鹿しくて、余計に放っておきました。

 やっぱり子どもはすごい                                       

 そして行ってみてです。やっぱり子どもはすごい。あっという間にすごいスピードで、ネイティブの発音で色んな事を次から次へ覚えていきました。何しろ風葉は地元の行き始めた小学校が、終わってから学童保育にも行ける事になり、朝は8時45分から夕方の6時前まで、1日中英語のみの環境にいきなりどっぷり浸かることになりました。                                        同様に野原も8時半から5時半まで保育園で1日中を過ごします。最初保育園に行き始めるまでは、風葉の小学校に母親の私が、野原と椿の全員を引き連れて、しばらく風葉の授業に付き添っていました。先生がとても好意的で、野原にも絵本を渡してくれたり、教室で飼っているイグアナやハムスターなどを見せてくれたり、色々遊んでくれました。                             

 鏡に向かってぶつぶつ

 子連れでしかもちび2人を歓迎してくれるおおらかさは、さすがアメリカだと思いました。でも椿はなかなかおとなしくしていなくて、何度もおっぱいをやってごまかしたりしていましたが、他の生徒の子達が当然のことながら私たちのことをとても気になるので、長くはいれないなあと思っていたら、2週間位したぐらいになんとなく風葉も、身振り手振りで先生の言っていることが想像できるようになったらしく、私も思い切って風葉だけを残して様子をみることにしました。そうすると最初はわからん、わからんと言っていたのも、お友達が一緒に校庭へ遊びに行くのに誘ってくれたり、何かとみんな親切に助けてくれるようで、風葉も言葉ができなくても少しずつ安心して、見よう見まねで何でも覚えるようになりました。家に帰ってきても、ぶつぶつ独り言を英語で言うようになり、何度も反復していました。歌や、毎朝唱えさせられる合衆国の宣誓の文句も、ぶつぶつなぜか鏡に向かってしゃべっていました。

 覚えるのも早いけど、忘れるのも早い

 日本人は本当にいなくて、学校で風葉はたった一人の日本語しかしゃべらなかった子。でもそれが半年経つと、英語と日本語がミックスになり、1年経つと英語だけになるのです。かえって向こうで母国語をキープすることの方がよっぽど難しいと思いました。それぐらい家の中の会話は、野原も含めほとんど英語だったのに、日本に帰ってきて1ヶ月経つと、見事にあっという間にまた日本語のみになったのです。覚えるのも早いけど、忘れるのも早い! 子どもはなんて柔軟に環境に順応することができるのでしょう。なんか今ではあまりに英語が残らないのがもったいなくて、よしもっかい短期で行ったろかーと考え中です。そのためにはまたお金を貯めなくては・・・。安くはないし、それに何より私の博士論文が、んんん大丈夫だろうか?                 by たま