「素朴な小農業での肉体労働で汗を流す。これこそが理想の・・・」

今日(29日)は夕方5時から、「NPO丹波里山くらぶ」の総会。
設立6年目に入った里山くらぶ、メンバーのほとんどが「小農業での肉体労働で汗を流す」連中だ。

里山くらぶは、村のなかではそれなりの存在感を示しているけれど、「まだ多くの人から喜ばれるほど大きな仕事をやっていない」と野花理事長のあいさつ。これから5年、十年、いや100年先の世代に残せる事業(山の整備)を、というのがみんなの思い。その可能性のある事業計画を昨年から模索しているところだが、今そこに向けて一歩前進しつつある。


ところで、メンバーのひとり魚住隆太さんから数日前、以下のメールが届いている。環境アセスメント関連の会社・社長を退任して、いよいよ丹波に腰を落ち着けて、「半農半環(境・CSR)」生活をされるという。魚住さんは、田植えをしない「布マルチ」という方法で米作りをしているが、それを開発した先生の小論文(PDF)と製造元のホームページを紹介している。
「津野先生の小農本論に感動」してというところは、いかにも魚住さんらしい。ぼくも一読、内容はもとより、切れ味のよい文章にも感銘を受けた。

※以下は、魚住さんのメール

私の退職後の話しですが、半農半環(境・CSR)で、ぼちぼちやろうと思っています。
半環(境・CSR)といっても、会社を作るほどのことを考えておらず、せいぜい屋号をつけた個人事業者です。
小さな畑・田んぼと、4月から山林をほんの少し取得し、キノコの原木、薪ストーブの薪作りをやっています。
畑・田んぼについて、昨年秋に、オオスミ(横浜本社の環境計量証明事業会社)の大角社長と対談し、それがオオスミのHPに掲載されています。
前半は、私の脱線してきたお恥ずかしい話しで、後半が畑・田んぼの話しですが、興味がおありでしたら、見ていただければ幸いです。

http://osumi.jugem.jp/?eid=343

 

また、私が無農薬で田んぼをしている方法が、布マルチという方法を開発された
http://www.marusan-sangyo.co.jp/b16.html 

鳥取大学名誉教授の津野先生とお知り合いになり、先生の小農本論に感動し、先生が最近書かれた原稿を見させていただき、また、みなさまへの送付の了解も得ました。
是非、読んでいただきたく、お願いいたします。(添付ファイルPDFをご覧ください。)
写真:田植え機利用によるマルチ布敷設(丸三産業株式会社のサイトより)

*******************************************************
魚住サステナビリティ研究所
代表 魚住 隆太 (環境計量士、公認会計士)


コメント
:「小農本主義」というのは初めて聞く言葉だが、スケールの小さな「伝統自給的農業」という意味で使われている。現代風に言いかえれば“半農半X”であり、魚住さんにとっては「半農半環(境・CSR)」ということになる。日本の国民の50%、いやその半分でも、小農本主義の“半農半X”的な暮らしができたらいいのに、とぼくは常に思っている。

※以下、津野先生の原稿一部を抜粋 (全文はPDFでご覧ください)

○肉体労働に価値を発見

略。
現代の若者にはぜんぜん知られていない事実だが、肉体労働の苦痛を和らげ、かつ肉体に新鮮な喜びをもたらす技法の存在を強く指摘したい。これ無しには苛酷な自然環境下で肉体を使役することは出来ない。経験しない方には荒唐無稽と受け止められるかもしれないが、なにも難しいことではない。昔の百姓ならば誰でも体得していたコツである。それは、ただ無念・夢想で労役三昧に浸りきることである。これは世界共通であって、すべての肉体労働者は、これで筋肉苦痛を消しているのである。こうした行為こそがヨガの根本技法であることを、すでにマハトマ・ガンジーが指摘していた。私は幼時から農作業に習熟していたので、このコツは15歳くらいで会得していた。65歳のとき、2週間で20アールの耕作放棄地を鍬一本で開墾したが、さほどの疲れも覚えなかった。

中略。
この認識に立てば、頭脳労働者としてのサラリーマンをやりながら、素朴な小農業での肉体労働で汗を流す。これこそが理想の人間存在ではあるまいか。この理想をこの手にするチャンスが今到来している。価値低きもの、あるいは克服すべき対象としてとして位置づけられた肉体労働。これで我々すべてに内在する原始本能を満たすことができる。何よりも子供達にこうした労働を体験させてあげたい。

津野幸人教授の小論文 →「国民皆農」で生活革命と食糧自給の実現