満月に届く里山の音色

この十年来、日々の生活のなかに音楽は不要となり、昔好きだった曲さえも聴きたいと思わない。風や雨や雪や水の音、エンドレスな鳥のさえずり、蛙の合唱などを聴いているせいか・・・


満月と微風さそわれデッキの椅子に座り、
昼間の肉体労働で火照った身体を冷やしながら、そんなことを考えた。

風が草木の匂いをはこんでくる。
草に伏せたミッチィーとともに、蛙の合唱を聴いている。
里山の闇にひびくその音色は風とともに、
あの満月にも届いている。

心にそう想うと、
「そう想えば、きっとそうだよ」
と、風の叉三郎の声がした。