モンシロチョウの幼虫と遊ぶヒマ人

この2週間余り、葉隠れの術を弄するモンシロチョウの幼虫と、遊ぶことが日課になっている。

庭の菜園に植えたわずか4株のキャベツ。そのキャベツが大好きな幼虫は、葉の色と変わらない。小さいのは2~3ミリ程、葉隠れの高等術を使うから、葉の裏側もよく見ていかないと騙される。朝夕だけではキャベツを守れないので、昼間も見回っている。
「あっ、また見ぃ~つけた、ポイ」
日中に見回ると、ずいぶん大きな奴が満腹顔して昼寝している。
「葉っぱをこんなに穴だらけにして、おおきくなったねぇ、ポイ」
そんな独り言をつぶやきながら。
この遊びを2~3日やらないでいると、葉っぱはあっという間に穴だらけになってしまうのだ。つまんではポイ、ポイして、一日で20~30匹は捨てている。
数分で終わる作業だけれど、100株、500株1000株となれば、想うだけで気が遠くなる。
「あんたはヒマ人じゃねぇ、農薬をかけたら一発やのに」
そんな声が、空耳に聞こえてくる。
のりたま農園の坂口さんに電話でこの話をすると、
「そんなん、平野さん、やってられませんよぉー」と笑った。彼は、モンシロチョウが葉に卵を産みつけないように、キャベツが結球するまで寒冷紗(雨風の透る薄い布)で覆ってしまうそうだ。

それも面倒だしお金がかかりすぎる、となれば農薬を使うしかない。
「農薬」で虫や病原菌などを退治することを、一般農家は「消毒」と言っている。
毒を消す・・・?それが農薬なんですねぇ。

戦後、「農の薬」すなわち農薬や化学肥料が急速に普及しはじめ、
農家にとってのありがたい神様となり、
「農薬がなければ野菜はできん」という「現代農薬神話」ができあがったのだった。
それもこれも、顧客満足度を高めるため、顧客第一主義のために・・・。
虫も食べない綺麗な野菜が大好きな消費者のために。
そんな消費者がたくさんくるお店に野菜を売るために。

それでも近年は、安心安全の合言葉とともに減農薬の傾向にあるのはたしかだが、現実問題として、農薬使用をまったくゼロにしたら、日本はたちまち食糧危機がくるだろうな。なにしろ日本の農薬使用量は先進国でトップというし・・・ブツブツ独り言)。
「あっ、また見ぃ~つけた、ポイ」

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昆虫図鑑 モンシロチョウ