賢くなったイノシシくん

イノシシは鹿とともに、田畑を荒らす招かれざる客だが、人間の都合により、ボタン鍋シーズンになると歓迎される。
  イノシシは鹿とともに、田畑を荒らす招かれざる客だが、人間の都合により、ボタン鍋シーズンになると歓迎される。冬の丹波の味覚に欠かせないからだ。

  「猪肉は臭みがあるから嫌い」と言う人がたまにいるけれど、本場の味を知らないからではと言いたくなる。丹波の山野と田畑を、猪突猛進して鍛えたイノシシくんの肉は、脂肪もほどほどの健康体でとてもヘルシーだ。

  猪猟は、猟師が犬で追い山して鉄砲で射止めるか、オリ状の箱ワナにエサを入れて捕獲する方法がある。ある日、春日町の里山で、米糠がまかれているワナを見かけたので、
「こんなエサで捕れるの」と、地元のハンターに訊ねると、
「よう捕れるで」と、自信たっぷりの答えが返ってきた。

  ところが丹波新聞の記事(2月3日)によると、この冬は不猟で、例年を大きく下回った。狩猟歴30年以上のベテラン猟師でも、例年の半数ほどしか捕れていないそうだ。
猟師やハンターの見解によると、不猟の要因はおよそこんなことらしい。

   1. 台風などの災害に見舞われず、食べ物が山に豊富にあるため、里に降りてこない。
   2. 道路の新設などで、移動に慎重になっている。
   3. イノシシが賢くなった(賢い遺伝子が残った)。
   4. 猟師の高齢化で、高いところまで追い山しなくなった。

  そういえば、昨年は台風らしい台風が丹波に来ていない。だからドングリなどの食べ物が多く残ったのか? でも、田圃一反の米をまるごと被害にあったという話も聞いたし、うちの近くの畑にも猪の足跡はよく見かける。

  となると、2〜4のほうが不猟の要因として大きいかもしれない。高齢化は止めようがないし、インシシくんに「あまり賢くならないように」とも頼めない。

  さてさて、猟師と猪の知恵比べ、次の冬はどうなるでしょうか。
(ちなみに、猟師はプロで、ハンターというのはセミプロまたは趣味の鉄砲討ち、ということらしい)

賢イノシシくん

道路脇にインシシくんの天日干し
(丹波市春日町柚子)