つくしのようなシアワセ

阪神は今日も負けたけれど・・・、つくし摘み、足るを知る、春の宵かな。


三寒四温、夜はまだ冷える。今夜こそは火が要らないだろうと思いつつも、やはり炎と別れがたく、薪ストーブを焚いてしまう。

 昨日(30日)は風もなくぽかぽか陽気。二分咲きの桜に先立ち、庭のプラムが大満開だ。満開の花にあおられるように畑仕事に本腰を入れて、夕には久しぶりの筋肉痛。でも、筋肉は大いに喜んでいる。だから今日も朝から、あれや、これやと忙しい。
まず、一年かけて仕込んだ堆肥をスコップで掘り崩す。『ニンジンから宇宙へ』の著者・赤峰勝人さんが書いているように、土は草木の死骸からつくられることを実感する。わずか一年で草木を分解してしまう微生物や虫たちの力もすごいものだと思う。
黒々とした見事な堆肥のなかから、カブトムシの夢見る幼虫がぼろぼろ出てくる。寒そうに縮かんだ幼虫を温い堆肥のベッドに戻していたら、いつの間に隣のおっちゃんがやってきて、
「箱に入れておいて、売らんかい」と言った。
「一匹、いくらになるの?」
「知らんけど、100円以上はするやろ」
「ということは、5000円にはなるか・・・」そんな会話をしながら、堆肥をせっせと畑の畝に入れ、エンドウ豆の支柱を立てる。
そのあとはハウスのなかを耕運機で耕し、次に作業小屋を建てるために土台づくり。一息入れてから、伸び放題の庭木の剪定。ついでに、昨年から枯れはじめた紅葉の幹をチェーンソーでばっさり伐った。太幹はまだしっかりしているし新芽が出ているから、何とか蘇生するだろう。
樹齢50年はありそうなこのモミジは、春先は深紅、夏は緑、そして秋の紅葉と、葉の色が3回変わる。引っ越しと同時に近所から移植したもので、我が家では自慢の銘木だった。しかし農薬による防虫対策を一切しなかったせいで、幹は害虫の高級住宅となって機関銃の弾倉のようだ。
作業をしながらラジオの野球中継は、阪神VSヤクルト戦。今日は大物ルーキー・藤波のデビュー戦だったが、3安打2失点を援護できず、昨日に続いてお団子(ゼロ)。やれやれ・・・今年も阪神らしい闘いぶりですねぇ。
「つくしでも採ろうか」と、ふと思う。つくしはもうとっくに出ていたようだが、田舎暮らしに慣れ過ぎたせいか、デスクワークに追われていたせいか、つくしのことなどすっかり忘れていた。
作業も一段落してから庭のつくしを摘み、さっそくおひたしにして、英一さんにもらったどぶろくのつまみに。ほろ酔い気分で、炎眺めて筋肉ほころび・・・、これは・・・、「つくしのようなシワワセ」というものかもしれない。