『もの食う人びと』

かつて感動した本


「人びとはいま、どこで、なにを、どんな顔をして食っているのか。あるいは、どれほど食えないのか。ひもじさをどうしのぎ、耐えているのだろうか。日々もの食べているという当たり前を、果たしてどう意識しているのか、いないのか。食べる営みをめぐり、境にどんな変化が兆しているのか。うちつづく地域紛争は、食べるという行為をどう押しつぶしているか・・・・・それらに触れるために、私はこれから長い旅に出ようと思う。」

 

BOOK紹介
『もの食う人びと』辺見 庸

これは、辺見庸氏の代表作『もの食う人びと』の「はじめに」の冒頭文。本書は1994年に講談社ノンフィクション賞とJTB紀行文学賞を受賞した。飽食の国に苛立つ人間の視点から、紛争や飢餓線上で「もの食う」人びとをルポルタージュしている。

「桜沢如一のことば」をぼつぼつ拾いながら、かつて感動して読んだこの本を思い出した。

「もし、桜沢如一がこの本を読んだら、どういう感想を抱くだろうか」。そんな思いから、この本を読みなおしている。  (平野隆彰)