南相馬発: 避難指示区域を再編

ナシ崩し的に何でもありの避難区域再編です。もちろん、多くの住民は反対していますが、国と自治体の長が聞く耳を持っていません。


田舎元気本舗 平野さま
7名のBccの皆さま
ひまわりプロジェクト南相馬の小澤です

国は、原発放射能による避難指示区域を再編することによって、住民の帰還意識を促しています。

チェルノブイリ原発周辺は、事故後27年の今でも30km圏内は立入禁止区域です。しかし、この日本においては、来月4月1日より、フクイチ原発周辺の、添付写真に示すピンクとブルー区域以外は自由に出入りできるようになります。

さらに4月中には、町長が代わった双葉町の海岸近くが、同じ扱いとなる予定です。ナシ崩し的に何でもありの避難区域再編です。もちろん、多くの住民は反対していますが、国と自治体の長が聞く耳を持っていません。

昨年3月から、20km圏内の警戒区域と高線量の計画的避難区域が、(1)帰還困難区域、(2)居住制限区域(3)避難指示解除準備区域、そして再編計画未決定区域(双葉町と川俣町山木屋地区)に細分化されているわけです。

赤矢印は緩衝地帯(避難指示解除準備区域)に相当する特定避難勧奨地点がある南相馬市原町区、私の自宅があります。昨年の11月、解除に抗議して伊達市のような解除はありませんでしたが、あまりの区域再編の速さにビックリしています。

国の手順としては、地図上で着色のない特定避難勧奨地点を先に解除しないと避難指示解除準備区域を解除しにくいわけです。国は、人命や健康よりも、いかに原発事故を過小評価するか懸命です。しかし、住民もそれほどバカではありませんから、簡単に帰還などしないし、できるわけがありません。大熊町は3つに分断され、96%が帰宅困難区域です。

先週、フクイチの作業者が twitterで次のように呟いていました。放射能の危険性を最もよく解っている彼の発信には 410人がリツイート、発言の重みを感じます。

『Happy11311 続き16:あとマスコミやメディアや研究機関の人たちには、警戒区域解除されたら直ぐに富岡町や浪江町に入り、独自に汚染モニタリングを実施し、速やかに公表して貰いたい。国や自治体が発表する数値と、いかにかけ離れた数値なのか、きっとはっきりするはずなんだ。』
( 6日前 bukoneko100がリツイート 410人がリツイート)

一方、慣れとは怖いもので、ずっと住んでいる南相馬市民は、こんなバカげた話になります。私のツイートです。

『bukoneko100 【南相馬市のウワサ・世にも恐ろしい刷り込み】セシウム(134)の半減期2年を迎えたので、放射能は半分になった、これからは減る一方で安心して暮らせる←セシウム137やストロンチウム90の半減期は約30年、これが千分の一になるのは約300年後です! 』

「半減期を迎えたから安心」「除染をしたから安全」「除染をすれば帰還できる」という言葉に惑わされないためには、正しい知識で理論武装する必要があります。

チェルノブイリ並みの基準は最低限必要です。「1ミリシーベルト/年から5ミリシーベルト/年で移住の権利」「5ミリシーベルト/年以上で立ち入り禁止」というものです。今の日本の基準は、20ミリシーベルト/年で避難指示や区域再編をしています。チェルノブイリの4倍の基準ですが、日本人がロシア人より、放射線に対して4倍も強固な身体を持っているわけはありません。

また、福島県知事の佐藤雄平は、除染の基準となっている1ミリシーベルト/年以上を、ハードルを上げて、5ミリシーベルト/年にしようとしています。理由は、達成可能な目標が必要だからだそうです。5ミリシーベルト/年は放射線管理区域です。福島県全域を原発構内にしようとしていることになります。

以下に、『私設原子力情報室』による、目からウロコのたいへんわかりやすい文章を紹介いたします。ご一読ください。

(引用開始)
http://nucleus.k.asablo.jp/blog/2013/01/31/6707870

除染考(1):除染とは…
2013-01-31
私設原子力情報室

政府は「除染、除染」と騒ぎ立てますが、一向にその成果は上がっていません。それどころか、「フクシマの手抜き除染」が世界的なニュースとなり、この国は多額の税金をいったい何のために、どこに投入しているのか、日本中が疑問を持っています。

そこで、一度原点に立ち帰って、除染の問題を何回かに分けて考えていくことにします。

まず除染の目的。地域を汚染している放射性物質を取り除いて、住民が安心して暮らせる状態にすることです。20ミリシーベルト/年以上で居住制限のかかっている地域では、安心して帰還できるようにすることです。

しかし、考えてみると、「安心して」というのは曖昧な言葉です。これは具体的には、「何の制限もなく生活できる状態に戻すこと」を指すと考えないといけません。「山林に入ってはいけない」「山のキノコは採ってはいけない」「川のヤマメは食べてはいけない」という状態では、「故郷に帰った」とか「故郷を取り戻した」ことにはなりません。

本来は、3.11以前の状態に完全に戻してこそ、除染の完了です。

さて、20ミリシーベルト/年以上のエリアでは、国が除染を行うことになっています。1ミリシーベルト/年から20ミリシーベルト/年のエリアでは、地方自治体が除染を行い、財政的には国が支援することになっています。

ここで予備知識として再整理しておきたいのは、1ミリシーベルト/年と20ミリシーベルト/年という数字です。

実は、どちらも安全だという根拠のある数字ではありません。ICRP(国際放射線防護委員会)によれば、「一般の人が浴びても差し支えないとされる1年間の被ばくの基準は1ミリシーベルト」「原子力事故からの復旧期においては年間の被ばく量を多くても1ミリシーベルトから20ミリシーベルトまでにとどめるべき」ということです。

日本政府が採用しているのは復旧期の上限値。事故直後から1ミリシーベルトなのか20ミリシーベルトなのかという議論がありましたが、なし崩し的に20ミリシーベルトという高い放射線量を押し付けられているのが現状なのです。おまけに、復旧期がいつまで続くのか、明確どころか、おおむねの目安さえ示されていません。

ここでは詳しく述べませんが、1ミリシーベルト/年以下でも、ガンなどの発生率が上昇しているデータは、チェルノブイリだけではなく、世界中で報告されています。

ウクライナもベラルーシもロシアも同じ基準で、5ミリシーベルト/年以上のエリアは危険なので居住が禁止されています。
さらに、1ミリシーベルト/年から5ミリシーベルト/年で住民には移住の権利があります。国の支援を受けながらそこに住み続けるか、他の地域に移住するか、自由に選択することができるのです。フクシマとはレベルの違う対応が行われています。
そして、フクシマよりも厳しい基準を適用しているチェルノブイリですら、今、白血病や心臓疾患など、慢性被ばくが原因とされる病気が多発しているのです。
事故発生から27年を経ようとしているチェルノブイリですが、立ち入り禁止区域の外が「何の制限もなく生活できる状態」になっているわけではないのです。

フクシマに話を戻しましょう。

残念ながら、すべてを3.11以前に戻すのは不可能です。納得のいかない数字ではありますが、当面は、1ミリシーベルト/年を目安にしましょう。「1ミリシーベルト/年から5ミリシーベルト/年で移住の権利」「5ミリシーベルト/年以上で立ち入り禁止」というチェルノブイリなみの基準は最低限必要です。

国が本当に除染できるというなら、5ミリシーベルト/年以上のエリアをすべて買い上げて、きれいに除染してから売り出せば良いだけの話なのです。

安易に、「除染」とか「帰還」という言葉に踊らされるのは、とても危険なこと。ここで言う、「危険」とは、具体的に、「命や健康に関わる危険」を指していることは、言うまでもありません

(引用つづき)
除染考(2):除染にゼネコンは必要なのか?
http://nucleus.k.asablo.jp/blog/2013/01/31/6708039


除染考(3):そもそも除染は必要なのか?
http://nucleus.k.asablo.jp/blog/2013/01/31/6708305


(引用終わり)