世代をへて気候風土が変える在来種ねぎ

誰が言い出したのか、「日本三大ねぎ」のひとつと言われる岩津ねぎは関西では有名です。でも、まだ全国的には知られていないようです。

岩津ねぎは、寒くなると繊維が柔らかくなって甘みも増すので、雪が降り始める12月から翌年3月まで最盛期です。品種としては九条太ねぎが始まりと言われています。江戸時代に、生野代官所(生野銀山で有名)の役人が京都の九条ねぎの種を持ち帰って育てたところ、 朝来市の独特の気候風土により、しだいに関東の根深ねぎ(白ねぎ)と関西の葉ねぎ(青ねぎ)の両方の良さが現れた、ということです。
愛知県の在来種のねぎとして、昔の九条ネギにそっくりという「八幡在来ねぎ」というのがブログ「定年楽農」に紹介されていました。
「八幡在来種ネギの特徴は、秋から春にかけて、白い部分も、緑色の葉の部分も柔らかくなります。しかし、葉が柔らかすぎるために、1月~2月の厳冬期は、葉が折れてしまい、商品にはなりません。そこで、今年は、土を少し深くかけて、ネギの白い部分を長くしました。緑の葉は、折れてしまい、使い物になりませんが、白ネギと同じように、白い部分のみ使用するようにしました。鍋にして食べると、とろけるように柔らかく、甘味もあり最高です。」

続きはこちら→ ブログ:定年楽農
http://blog.goo.ne.jp/teinennrakunou/e/4b68c56d8b62cb94f0e16c892272cc92

 このブログによると「1月~2月の厳冬期は、葉が折れてしまい、商品にはなりません」ということですが、白ネギと青ネギの両方のよさを持った岩津ねぎは、冬季にこそ商品価値があるわけです。捨てる部分がなく全体をおいしく食べられるのが岩津ねぎの特徴です。
朝来市は丹波市よりやや北緯にあり、丹波より積雪も多い地域です。山間部の盆地気候なので霧がよく発生し、昼夜の寒暖差が大きいというのも丹波と似ています。
暑い盛りの7月に苗植えしてから、成長するにつれて畝の土寄せをしていくと、白ネギ部分が長く太くなっていきます。夏の暑さ、霧や気温の寒暖差、冬の寒さなどに鍛えられて、九条太ねぎが何世代かをへて岩津ねぎへと変わっていったのでしょう。
気候風土が似ている丹波でも「岩津ねぎ」は育てられますが、むろん商品名として使えません。
写真は、自家用として丹波カルデンで育てた丹波産岩津ねぎ(非売品)。八幡在来種ネギと同様、「青ねぎ部分が折れてしまい、これでは商品にもなりません」が、自家用だからこれでOK。初めて岩津ねぎを食べたときに感動したことから、丹波でもチャレンジしようと、毎年夏に朝来の知人から苗を取り寄せています。
本場の岩津ねぎはブランドとして大事に育てているので規格が厳しく守られ、白ねぎ部分は真っすぐでもっと長く、青ねぎ部分もシャンと伸びています。その形は、愛知県津島市越津が発祥という「越津ねぎ」に近いです(写真:「野菜図鑑」を参照)
ちなみに、丹波には白ネギ部分が太い「氷上ねぎ」というブランドねぎがありますが、これは「下仁多ねぎ」にそっくりです。
どのネギにもそれぞれの良さがあるはずですが、ところで、三大ねぎのうち、あとの2つは何ねぎでしょうか? 

 

 

以下は「野菜図鑑」→「ねぎの種類」より
http://vegetable.alic.go.jp/panfu/negi/negi.htm

九条太ねぎ(くじょうふと)
葉肉が長くて柔らかい葉ねぎを代表する品種。青ねぎともよばれる。京都九条が主産地であったが、今では西日本で広く栽培されている

下仁田ねぎ
群馬県下仁田町の特産。丈が短く、太い。生では辛みがつよいが、煮ると柔らかくなり、まろやかな甘みがでる。鍋ものに欠かせない。

越津ねぎ(こしづねぎ)
愛知県津島市越津が発祥。軟白用栽培に適し、白根をとくに長くすることができる。葉部も柔らかで葉ねぎとしても利用される。

野菜図鑑「ねぎの種類」
http://vegetable.alic.go.jp/panfu/negi/negi.htm