今日は友人のために田舎暮らし案内人

今日(9日)は友人の吉田さんが来丹。前から丹波にプライベート拠点を持ちたいと言っていた、その下見に。

吉田さんとはもう十年来お付き合い。毎年1度は、田舎元気本舗のモニターツアーや丹波ニューツーリズムに参加してくれていたけれど、それも「お付き合いで」という感じで、とくに農業や田舎暮らしに関心があるようではなかった。
ところが、どんな心境の変化があったのか、最近急に「丹波にプライベート拠点があればいいな」と言いだした。農業をやりたいとは言わず、ゆっくり読書などを楽しみたいのだという。そろそろ定年退職後のライフスタイルを真剣に考え出したようだ。
神戸育ちの彼の住まいは三田市の郊外で、丹波から30分だから、その気になればすぐの距離。三田市もかつては田舎だったが、十数年前の一時期は人口の増加が全国一と言われたほど。自然環境はよいのだけど、吉田さんの住まいも新興住宅地のマンションだから田舎都会といったところ。
「雪は降っていませんかね」と9時頃に電話があった。
「いや、まったく。よく晴れてますよ」
そして、薪割りをしている昼過ぎに吉田さんはやって来た。すぐわが家から数分の山の中に案内し、そのあと隣村の貸してくれるかもしれない空き家にも案内した(売り物件と違い、田舎の貸し物件は少ないし、貸してもらうのもむずかしい)。
紅葉や桜や雑木が高高と伸びているこの山の土地は、なだらかな傾斜地で適当な平地もある。おカネがあれば、ぼくが買いたいほどの山裾だ。所有者は親しくお付き合いする野花さん(NPO丹波里山くらぶ理事長)、1カ月ほど前に拠点づくりのことを相談すると、
「あんたに貸してやるよ。簡単な山小屋ぐらいなら建てたらいいで」と気軽に言ってくれた。
落葉樹の葉がすっかり落ちて、ひょろっと伸びた木々の間に青い空がのぞいている。山の土地は正確な坪数がわかりにくいが2000坪はあるだろうか。
「吉田さん、どう? ここ、最高でしょ。10日ほど前、この紅葉がものすごくきれいだった。田舎暮らしのひとつのステップとして、お金をかけずに間伐材で山小屋を建てたらどうかなぁ。建築基準法にひっかからない小さなやつを・・・」 
ぼくなら喜んでするのだが、
「そうやね・・・いいですね」と生返事のあと、少し間が空いて、
「で、トイレはどうする?」
「スコップで穴を掘ったらいいよ。ぼくは昔、姫路郊外のインディアンテントで週末田舎暮らしをしていたときそうしていたけど・・・夏は蛇に尻を咬まれないか用心しながら・・・」
「・・・・・」
ちょっと困った顔をしたので、
「工事用のトイレを山の入口当たりに置けばいい」とぼくは笑って言った。
吉田さんに限らないが、都会人はすぐトイレの心配を先ずするんだなぁ・・・困ったことに。でも、わからないではない。連れてくる奥さんのことも考えているんだろう。
銀杏の実がたくさん落ちていたので、野花さんに電話して許可を得て、バケツいっぱい拾った。
このあと隣村の空き家を見てから、吉田さんを紹介がてら野花さんの家でコーヒーを飲み、手土産にと白菜を採り、半時間ほど雑談。そして今月22日に、吉田さんほか5人で参加する予定の「おでんパーティ忘年会」の会場、「神戸田舎俱楽部」の家にも案内した。留守だったがオープンな庭を見て回る。
「ああ、ここですか。平野さんの本(『田舎は最高』)でも紹介していた・・・」
「おでんパーティは30人くらい集まるって。火を焚いて、寒さに震えながら外でやるんですよ。地元の人はあきれているけどね」
神戸田舎俱楽部は、神戸市職員の人たちの「田舎遊びと月一農業」の拠点で、もうすぐ定年の乾さんという人が十年ほど前に古民家を購入。
「平野さん、庭に露天風呂をつくったから入りに来てよ」なんて乾さんは言ってくる。
「えっ? また懲りずにつくったの。お湯はでるの?」
「今度のやつは湯ざめしないように、しっかりお湯を送ってますから、サイコーですよ。まあ、いっぺん試しに、あははっ」
こんな調子で、ぼくも好きな野性味ある田舎暮らしを楽しんでいる。
俱楽部仲間の一人(苗倉さん)もすっかり丹波にほれこんで、数年前、この近くに見つかった古民家を購入した(関連記事 http://ing-hompo.com/modules/post/index.php?content_id=325 )。
こんな話を吉田さんにしてあげながら軽トラを走らせ、マリオさんの家にも訪ねたがあいにく不在だった。  
吉田さんの表情や返ってくる言葉からして、丹波田舎暮らしのイメージがおぼろげながらできつつあるようだった。でも週末だけ丹波に来るとしても、はたして農業はするだろうか? 畑仕事や薪割りなどに汗する吉田さんはまだ想像しにくい都会人である。さて、どうなることでしょう。とにかく、一歩前へ。 村長 平野