『免疫力を上げる 一生モノの「食べ物・食べ方』 田中愛子著

「気がつけば私も、いまや87歳。
 実のところ、80歳になるまで、私には年齢の自覚がありませんでした。

ですが、「80歳のお誕生日、おめでとうございます」と、あまりにもたくさんの方に言われて、「アラ、私、もうそんな年なの? それなら、年寄りらしくしなくちゃ」といったのを覚えています。
あれから7年経ちますが、相変わらず、朝4時に起きて、木刀100回の素振りが日課の毎日。食事療法、健康法を皆さまにもっとお伝えしようと講演会や旅行などリュックひとつで世界中を元気に飛び回っています。」

 これは田中愛子先生の著書『免疫力を上げる 一生モノの「食べ物・食べ方』(三笠書房)の冒頭にある文章だ。
発行は2011年9月だから、今年で米寿を迎えている。その米寿祝いの鼎談記事が月刊Macrobiotique 11月号に載っていた。「あぁ、愛子先生はお元気そうだ。変わらないな」と、2年前の初夏を思い出した。
拙著『桜沢如一。百年の夢。』の取材のため、直弟子のひとりである愛子先生にお会いした。この冒頭文にあるように「リュックひとつで世界中を元気に飛び回って」いる元気なカワユイおばあちゃんだった。履いていたゾウリも身軽さの象徴のように見えた。身振りも話しぶりもひょうひょうとして、まさに「年齢を忘れた」気品のある女性だった。奥ゆかしさのある気品である。若い時はさぞかし美しかっただろう、と・・・。
ぼくと同様、愛煙家だったので、庭に出ていっしょに煙草をふかしながら話を聞いた。マクロビアン(マクロの実践者)が煙草を吸っていいの、と眉をしかめる人がいるが、そんなことには頓着しない。リュックを背に何よりも自由人の生き方を貫いてきた人である。
拙著と同時期に出版された本書は、そんな自由人・愛子先生の87年のマクロビオティック実践バイブルと言ってよいだろう。
副題に「病気にならない365日の食事・生活・手当法」とあるように、理論的なところもわかりやすく解説し、マクロの基本中の基本である料理とそのレシピを紹介している。マクロビオティックに関心のある方にとっても最適の入門書である。       (村長 平野)