「ひょうご在来種保存会」通信 

姫路の山根成人さんが代表をつとめる「ひょうご在来種保存会」は、地道にユニークな活動を続けており、現在会員が800名にも達している。


大病をきっけに農業、とくに在来種に興味を深めた山根さん。在来種を訪ね歩いて書いた『種と遊んで』という著書もある。その遊び心からボランティアで始めた保存会は、兵庫県下だけでなく、近隣県にも在来種のタネを訪ねて取材や研修旅行をしたりして、A4・20ページの小冊子(通信)を発行している。
在来種、有機農業、自然農法など興味深い内容がもりだくさんで、農業にかかわる人だけでなく、趣味の農業や新規就農、あるいは環境問題などに関心をもつ人たちにもとっても有益な情報、ヒントになる・考えさせる情報が多い。
この情報を、田舎元気本舗の「種のコスモス」で紹介したいと前々から思っていた。先週たまたま山根さんからメールが来たので、その旨を話しお願いしたところ、担当者からさっそく14号、15号、そして15号の別冊もPDFで送られてきた。
その一部(15号)を紹介します。全部をみたい方はPDFを開いて読んでください。

「足るを知る」
保存会世話人/播磨スローフード協会 リーダー 平井 誠一

スローフード全国大会に参加して
先日、スローフード全国大会が高知で開かれました。3 日間の会員総会に参加し、理事として最後の仕事をしてまいりましたが、この会で見たポスターが大変印象に残りました。そのポスターには、「足るを知る」(自分の足るを知ってみよう)という文字が記されていました。高知のリーダー上田孝道(元高知県職員・獣医)さんの言葉です。上田さんは寡黙ですが良識と信念の人、私の尊敬する友人の1 人です。
多くの人がそのポスターの前でしばらく立ち止まっており、私もふと足を止め考えてしまいました。「足るを知る」・・・そうやなあ、満ち足りすぎているのに、不安がっている日本人の傲慢さって何なんやろう、悲しいなあ。そんなことを思う僕も「足るを知る」ことができているやろうか。

「土」をいじることで、「足るを知る」道
実は、60 歳を過ぎてから挑戦し始めたことがあります。それは「土」いじりです。昨年の晩秋に収穫し、大切に保存した種生姜を、これから半年かけて世話をさせていただこうと思っているのです。今までまったく土などに触れてこなかった私の人生において、これは画期的な出来事です。「土」をいじることで、私は私なりの「足るを知る」道を、ゆるゆると実践していきたいなあと思うのです。
2 年前、山根さんからもらった「えび芋の親芋」は、庭に植えても、いつまでたっても芽が出てこず、散々馬鹿にされました。けれど、ひょうごの在来種保存会に入って、山根さんにかわいがってもらいながら、3 年いや4 年かな、種に対して無知な私もやっと土に触れ、我が身をシンプルに整えていく元年を迎えることになったといえます。ど素人の僕だけれど、ちゃんと生姜を育てることができるだろうか。いや、僕にもできるはずだ、そしていつかそのうち生姜で御殿が立つかもしれない。
さて、地域の美しさとは何でしょう。それはまず人の美しさ、人間性の美しさなのです。この度、気仙沼市は、チッタ・スロー(スローな町)の宣言をしました。東日本大震災からの復興を、スローフードの概念を基本においてまちづくりをすることにしたそうです。
時代は刻々と変わっています。我々播磨に暮らす者も、どんっと構えて動じず、土をいじることを基本におきながら、足るを知りながら、豊かに美味しく生きていこうではありませんか。特に、在来種に関していえば、「我々の種子は姫路城と同じか、それ以上の価値がある!」と、堂々と言ってのけるくらいの気概と自負を持つ人のつくった野菜や穀物や肉を支持していきたいと思っています。

15号 もくじ
◇足るを知る 平井…P 1
◇三重の研修の報告 土井…P 2~5
◇三重研修を終えて 坂番…P 6
◇家業 梅澤…P 7
◇丹波の調査報告 小林…P 8・9
◇「神力」誕生物語 岩田…P 10・11
◇神鍋の大美濃柿 北村…P12
◇但馬で交流会 久保…P 13
◇小野芋保存会 高石…P 14
◇漂着の草木生かそう 西山…P 15
◇若い感性を、地域に 池島…P 16・
◇動画の魅力で人を結ぶ 岩本…P 17
◇雲仙からのメッセージ 平井…P 18
◇活動報告 山根…P19・20

「ひょうご在来種保存会」通信 15号

「ひょうご在来種保存会」通信 14号

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