ひまわり畑で思い出す トウ・ロ・モコシ

あの頃、まだ5、6歳。
とうもろこしはものすごくデカかった。
ひまわりも同じくらい大きかった。

ひまわり柚津2

(丹波市春日町柚津のひまわり畑)

あの頃、まだ5、6歳。
とうもろこしはものすごくデカかった。
ひまわりも同じくらい大きかった。

ひまわり畑で思い出した。
トウロモコシと言うと、
「違うってば、トウモロコシだ」と言って叔父さんは笑った。
トウロモコシと言い直したが、また笑われた。
「違う、ト・ウ・モ・ロ・コ・シ」
「ト・ウ・ロ・モ・コ・シ」と、一語ずつ切っても笑われた。何度繰り返し発音しても、叔父さんはゲラゲラ笑うのだ。トウロモコシが大好きだった私はちょっぴり悲しかった。

ひまわり柚津1

 

いま、トウモロコシは、スイートコーンと呼ばれる。
正確には、トウモロコシの品種のひとつがスイートコーンだという。
品種改良された甘みのあるトウモロコシだ。
スイートコーンなら、あの頃も間違いなく発音できたかもしれない。

この5月末、空楽園の新たな畑にスイートコーンの種をまいた。
1反半(450坪)ほどもある畑で、
トラクターを借りて耕してみると、おそろしく広い。
更地の真ん中に立つと大平原のようで、呆然となった。

梅雨時期に、猪や鹿避けのネットを張り巡らしていったが、
その途中にも、スイートコーンの新芽が次々と鹿にやられていった。
畑作業をする間がなく、やがて燃えるような夏草。
防獣ネットが完成しないまま、スイートコーンは草に覆われた。

結局、この夏、
期待していたト・ウ・ロ・モ・コ・シは、
5、6歳の子どもの背丈しか伸びなかった。
それでもいくつか収穫でき、
あの頃のように、ガブリ、ガブリと齧り付いた。