福島から有機農家が視察に

市有研便り(2012年7月号)
 6月29日、福島の二本松有機農業研究会生産者・近藤恵さんが、将来の移住の可能性を探るために市島町を訪問されました。

東京出身の近藤さんは、千葉で有機農業の研修をした後、福島市で有機農業を始めたが、農地の効率が悪く収量が上がらなかったところへ、二本松有機農業研究会に誘われたそうです。15ヘクタールまで農地を広げ、経営が安定してきた6年目に原発事故が起きました。
しばらくは仲間とともに農業を続けたが、空気中の放射能線量は高く6歳と9歳の娘のことも心配で、現在は福島を離れ宮城県にある奥さんの実家に避難中。最近は二本松と宮城を行ったり来たりしているそうです。
今後は、会津若松なら放射線量も低いので、移住して有機農業を始めようかと考えていたところへ、たまたま市島町の事を知り、一度見てみたい、と来られた次第です。良い機会なので、普及員と役場の職員を紹介し、相談に同伴しました。出荷組合にも連れて行って皆を紹介したところ若い新規就農者が多いことに驚いていました。その後、一色さんの圃場見学をして帰えられました。
しばらくは二本松で除染の仕事をすることになったそうで、将来のことを模索して、もし市島に来るとしても来年以降になるそうです。

改めて考える「野菜の産地って?」

丹波市市島は神戸と比較して低温で、水質がいいので野菜が美味しいと言われる一方で、山間地で畑の効率は悪く、粘土質圃場が多いので水はけが悪く、作物の根の成長が阻害される。また湿気による収穫物の劣化が早く、収量も低く野菜産地とは言い難い。
本来、食糧は各地域の農民の手によって、さまざまな作物が作付され、それによって経営のリスクを分散する一方で連作障害を防止し、土壌バランスを守ることで持続可能な食糧の生産を維持してきた。工業化によって、農業の効率化が求められた結果、産地でも単作化が進み、連作障害を押さえるために土壌に消毒剤が使用され、土壌から流れる化学物質により、河川等の水生生物の減少を引き起こしている。
新しい有機農業技術では透明ビニールマルチを被覆し、土壌菌を滅菌することで消毒剤を使用しなくても連作ができつつある。しかし、大量のビニールマルチが廃物になるので、決して十分な解決方法とはいえない。