幻 一(まぼろし はじめ)氏とのご縁

梅の日の佳きご縁
 梅は満開だし風は気持がいいし、何となく佳い事ありそうな・・・。
昼前に、春日庁舎を出たところで、丹波ニューツーリズムなどで何かとお世話になっている山崎和加子さん(夫はマリオクラブの春人さん)とばったり。「個展をやっているから、ちょっと観ていかない」と声をかけられた。

庁舎入口のすぐ隣にある市民ギャラリー。急いでいたが、個展の立看板もろくに見ずにふらりと覗いてみた。オープンしたばかりらしく、私がいちばんめの客だった。はがき大の木版画、墨彩画などがずらり展示してある。受付の備え付けノートに名前住所を書き、失礼と思いながら忙しない思いでざっと眺める。幻さんは京丹後市網野町にあるお寺(臨済宗)の住職だという。禅宗僧侶らしい洒脱さとユーモアと楽しげな絵ばかりで、目の前の柔和な人柄もにじみ出ている。
ギャラリーを出ようとすると、おもしろそうな著書が数冊並んでいた。そのうちの1冊『羅漢さん漢字百景』を購入すると、幻一さんはさっそく墨をすり、扉表紙に「夢、一歩、一歩」という言葉と墨絵と私の名前を書き、丁寧に落款まで押してくれた。その間、約7~8分。
「一人ひとりに、そこまでされるんですか?」(私の場合、サインは1分とかからない)
「ええ、せっかくのご縁ですからね」と幻さんはさりげなく言って、名刺まで差し出された。
「奄美は行かれたことありますか」と言って、『奄美ふるさと100人応援団』と書いた2枚目の名刺も渡された。名刺の持ち合わせがなく、恐縮してしばし雑談するうちに、
「明日の夕方、うちで食事会をするんだけど、平野さんもよかったら来て」と和加子さんに誘われた。
「いやー、それはありがたい。明日はぼく一人なんで」と即答。

ご自身が「酒羅漢」だった
帰宅して、『羅漢さん漢字百景』を20ページほど読む。フムフム、酒羅漢を自称されていて、絵と同様に京都弁の飾らない文章である。お酒が相当お好きなようだ。「私は海が好きなので、日本海がすぐ目の前に見える寺です」と言っていたなぁ・・・。どうりで版画絵も海と太陽の明るさがある。名刺に書いてある幻さんのホームページ(こころの森へようこそ)も見てみた。ちょっと驚く。版画家としてはずいぶん活躍されている有名なお人だったのだ。
昼過ぎに出かけるついでに、山名酒造の名酒「春霞」の1升瓶を買って、ギャラリーに届けることにした。改めて看板の文字(東日本大震災義援金チャリティー)に気づき、般若心経の本も1冊買う。羅漢さんはもちろん山名の酒を喜んでくれたし、明日の晩、一緒に酌み交わすのが楽しみである。
満開の梅が呼び寄せたような佳きご縁の一日であった。   (村長 平野)

幻一「こころの森」へようこそ http://www.cocoro-no-mori.net/