新連載 小説『魔法の料理学校』 大杜空太作

『魔法の料理学校』へようこそ。
 ご入学おめでとう! 東大より難しいとも言われる本校のご入学、先ずは「おめでとう」とお祝い申しあげる次第です。世間では本校の存在はほとんど知られておりません。しかし知る人ぞ知る本校は、魔法界では大変有名かつ権威のある学校なのであります。

本校は厳しい資格審査があり、1000万人の応募のなかから毎年わずか5名しか入学できません。したがってキミたちは有能な人材としてその将来を嘱望された魔法料理家の卵なのです。いや卵などではなく、もはや立派な魔法戦士と言うべきでしょうか(笑)。

 ここで習得できる魔法は単なる空想や誇大妄想の魔法ではありません。厚生労働省も食品業界も一般消費者も大好きな食品添加物や保存料という便利な道具を使って、まさに魔法の料理を作るわけですから、化学的・実践的・実用的な学校であります。

 ハリー・ポッターの魔法学校はいまや世界的に有名ですが、あそこを最優秀で卒業したところで世間に出たらその魔法はまったく通用しません。ところが、本校で学んだことをうまく活用すれば世間一般に広く通用し、多くの人たちにも喜ばれるのです。そして、もしキミがその気になりさえすれば、一流シェフになれるどころか、食品メーカーとして大成功することも不可能ではないのです。

 申し遅れましたが、私は本校の「魔法課添加物魔法料理初心者クラス」で新入生を担当するヒネタ・クエンタロウ申します。親からもらったこの名前、とても気に入っていますが、短い愛称でヒネタロウと呼んでください(愛想笑)。
さあ、それではさっそく授業を始めることにいたしましょう。(つづく)