菌は自然界のお掃除屋さん

きのこ講習会に6名参加
 昨日(3月1日)、県立三木山森林公園「森のクラフト館」でおこなわれた「きのこ講習会」に、丹波里山くらぶのメンバー6人が参加した。

丹波市内には、「丹波の森公苑」と「丹波年輪の里」という立派な県の施設がある。初めて訪れた三木山森林公園は、どちらかといえば「丹波年輪の里」に近い施設のようだ。でも、敷地の広さは両施設を合わせたくらいありそうだ。
開講は1時からなので、早めに行ってレストランで昼食をとる。バイキング方式で飲み物付き1300円。メニューは20種類以上あり、味もよく、妥当な料金だと思う。神戸や明石など都市部に近い地の利のせいか、平日なのにお客の数もそこそこいる。客数が見込めない丹波であればバイキングなど成り立たないだろう。

動物は消費者、でも人間は破壊者
森のクラフト館の一室はさほど広くなく、募集定員30名を超えた36名でいっぱいだった。人生二毛作・三毛作を目指す、60歳以上の青年たちが大半の男性ばかり。
開講式でまず兵庫県緑化推進協会の理事から挨拶があり、今回の無料講習会の費用は、アサヒビールの寄付でまかなっていると説明があった。缶ビールの「ドライ」1本につき1円が森林整備活動などに寄付されるので、「ビールはドライを飲みましょう」と笑いながらPR。
講師は、きのこ博士のようなおじさんを想像していたら、まだお若い女性だった。藤堂千影さん、「兵庫県農林水産技術総合センター森林林業技術サンター主任研究員」という長い肩書。プロジェクターを使ってきのこの基礎知識について40分ほど講義があり、気づいたらこくりこくりと舟をこいでいた。
プロジェクターの図で、「植物は生産者、動物は消費者、菌類(きのこ)は森の清掃屋さん」といった説明があった。なるほど、生命循環の仕組みを単純明快にとらえているが、動物のなかでも人間だけは消費者どころか破壊者になっている。その点、菌類は掃除をしながら自然の再生に貢献するというのだから実にエライ。その上、きのこ類の多糖類にはβ―グルカンという成分が含まれ、人の免疫力を強めるNK細胞やリンパ球の活性を高めるというのだから、まことにありがたい存在だ。また、とくに乾しシイタケやキクラゲに多いビタミンDはカルシウムの吸収を助けるので、骨粗鬆の予防には大切なビタミンと言われている。とにかく、きのこ類は、消費者兼破壊者である人間の美容・健康維持においても、大変ありがたい生き物ということですね。
であればなおさらのこと、危機に瀕した森林を守るためにも、自然(生命)の循環をよりよくする人間の知恵やボランティア活動が求められている、というわけだ。ちなみに、同森林公園に登録されたボランティアの数は1万人を超えたが、どんなメニューをつくって活動の充実をはかるかが今後の課題だという。丹波里山くらぶとしても、ただ森林整備のボランティア活動をするだけでなく、少しでも知恵を活かした取り組みをしたいと、今回の参加を申し込んでいた。

自然界の菌との戦いに勝たなくては・・・
実技に移り、ひとり当たり数本用意されたブナ樹にナメコの菌を植え付けていった。普段から原木シイタケ作りをしているのでこの作業はお手の物。ナメコは桜の樹がいちばんと言われているが、私は数本あったサクラの1本をゲットできた。
次はヒラタケ。オガクズを4l(リットル)、菌の餌となる米ヌカを2l、菌1l、水4lほどの割合で混ぜ合わせる。それを短木(広葉樹)の間に1センチほどの厚さで挟みこむ。合わせた短木がズレないよう、ガムテープでぐるぐる巻いてから、念入りにハスガイを2本打ち込んで固定した。持ち帰ってから土の上に置いておくと、6月下旬~7月上旬には菌糸が短木のなかまで入り込んでいる。菌糸でひっついている短木をはがすと、切り口には白い菌がびっしりついている。その切り口を上にして、3分の1ほどは土に埋める。直射日光が当たらないよう遮光ネットで覆い、乾燥しないように水を適度に与える。子実体の芽が出てきたら毎日水遣りをして、この秋11月頃には収穫できるそうである。
この方法は、以前(5年ほど前)、近所の人に教えられてやったことがあった。たしかに、一時期はかなりの収穫があったけれど、2年目には採れなくなった。他の菌に駆逐されたのだ。土に直におくと、雑菌が入るので板を敷いたほうがよいと言われ、その通りにしたのだが・・・。
自然界にはさまざまな菌が勢力争いを繰り返している。その激しい戦いの中で、きのこ菌を守らなくてはいけない。「周りに古い落ち葉などがあると、たくさんの雑菌に負けたりするので、そういう場所は避けてください」と講師先生は言っていた。しかしほんとうに、土に植えていいのだろうか? 家に帰って、前回の失敗を考えながら、どこに置こうかとしばし思案してしまったが、とにかく講師先生の言われるとおりやってみよう。
お土産に、自分で作ったナメコの木を3本、短木を2セット持ち帰った。頂いた資料もよく読んで勉強し、この夏はせいぜいドライを飲むとしよう。