“宇宙を舞う“ブルーノと薪づくりする

5段ロケットの炎
 ありがたいことに、この冬は我が家のただ一つの暖房装置・薪ストーブの薪が十分足りている。でも、薪を毎日選んで取り出すために、薪小屋に積んだ薪の整理をする必要があった。

薪ストーブの温度を上げていくためには、4~5種類の太さの薪を選び、なおかつ適度な量を持ち込まないといけないからだ。
ストーブの火力を、4段もしくは5段ロケットと言っている。最初の点火は小枝を使い、炎が上がりだしたら細枝、中太枝、太枝または中太の幹部分、そして最後にはドンと根元に近い太幹を入れる。枝ばかりではすぐ燃えてしまい、薪の補給に忙しなく、ゆったり構えて炎を眺めている余裕がない。5段ロケットの炎が安定するまでは、忙しないボイラーマンだ。
2月4日(土)、舞流宇之(ブルーノ)が久しぶりに来丹したので、翌朝、薪小屋に積んである薪の太さごとに仕分けして積み直してもらった。私は適当な長さで乾燥させておいた木をチェーンソーで伐って、空いたスペースに新たな薪を補充していった。薪小屋がびっしり隙間なく埋まると、達成感とともに赤字国債のない国の大蔵大臣になった気分だ。

ブルーノが舞流宇之でなくなる?
ところで舞流宇之がこの夏、アメリカに帰ることになった。昨年暮れ、彼は婚約者を連れて病気の母親を見舞いに帰国していたが、結婚後は彼女のためにもしばらく日本で暮らすと聞いていた。しかし看護師の彼女(ユミちゃん)が、彼の母親の看病のために帰国を早めることになったということらしい。彼女が自分の意思で決めたことだからと、ブルーノは言って喜ぶ。
2年前、舞流宇之は本気になって日本人女性のヨメ探しのため、十数年ぶりに来日した。英語教師として韓国にも数年滞在していたことがあったが、やっぱり大和撫子が世界一なのだ。
薪小屋の整理をおえた夕方、家内と3人、車で20分ほどの温泉(京都府三和町・三和荘)に行った。温泉に浸りながら舞流宇之とあれこれ話す。結婚式は挙げず、2月14日に籍を入れるという。そして3月半ば以降、彼女を伴って我が家へ来る予定。
“宇宙を舞いながら流れゆく” 舞流宇之とは20年以上付き合っているが、ヨメさんをもらったら、もう流れゆくことはなくなるだろうか。 
「ところでブルーノ、いくつになった? 」
「51歳、ヒラノさんは?」
「○歳」
「えーっ、うそ! あははっ・・・、変わらないねぇ」
「そう、ブルーノもね」
結婚はもちろん祝いたいが、舞流宇之に会えなくなるのも、また、もしかするとブルーノが舞流宇之でなくなるかもしれないのが、ちょっと寂しい気がする。  (村長 平野)