白菜とたくわん漬けに感謝

塩の「好い加減」
 味噌と梅干し作りは、家内の仕事。「手前味噌」とはよく言ったものだが、丹波の青大豆を使った手作り味噌は最高だ。

1年物でも風合いがまるで違う。梅干しは大粒と小粒の2種類つくり、その半分(4~5kg)は友人知人に分けている。
家内は漬物がないとご飯がすすまない私のために、白菜漬けやたくわんを作ってくれていたが、一昨年の冬は忙しかったせいか、作ってくれなかった。大いなる欲求不満!
白菜も大根も、丹波カルデンにいくらでもある。そこでこの冬(昨年12月)は自分で漬けることにした。白菜は数時間天日干ししてから、樽につける。寒空の下でその作業をしていたら、家内は見るに見かねたらしく手伝ってくれた。
というより、私のやり方に不安を感じたのかもしれない。なにしろ私はマニュアル嫌いなので何事も大雑把(と家内は言う)。塩加減も適当なので、家内は心配したのだ。
家内は、適度な大きさに割った白菜を一個ずつ秤に載せて重さを量り、塩の量を決める。だいたい5%ほどらしい(後で確認したところ、3.3%と言われた)。生命維持に欠かせない塩。要するに白菜漬けも、身体の塩分濃度と同じくらいが適当(好い加減)なのだろう。塩はもちろんミネラル豊富な天然の塩。
樽のなかに、隙間なくきれいに並べ、こぶやトウガラシ、ゆずをはさみながら塩を振り、一段ずつ重ね積んでいく。1樽にいっぱい作った白菜漬けは約1カ月でなくなった。

たくわんシンフォニーか
大根は軒下にぶらさげて半月以上乾していたが、丹波の冬は湿度が高いせいか、なかなかほどよく萎びれてこない。この適度な乾燥度合いがないと、甘みも風味もないし歯応えがよくない。店で買うたくわんは、こりこりと歯応えは一応あるけれど、水っぽくて身体が冷える。
12月末には漬けるつもりが年明けて、正月にすることになった。私が作業を始めると家内がやはり手伝いにきて、「塩加減は5.5%よ」と言う。(ちなみに、お寺の修行僧が食べるたくわんは一年分漬けるので、夏場でも持つようにもっと塩分が濃いはずだ)。こうして、白菜漬けがなくなった頃には、たくわん漬けを心おきなく賞味することが叶った。
1月末、最初に取りだしたたくわんはまだ漬かりが浅かったのか、塩味がきつい感じだったが、5本目あたりから風味も塩加減も歯応えもばっちりダ。乾した大根の辛みと水分、太陽と風と、海の塩とぬかと、こぶとトウガラシとが絶妙なハーモニー。たくわんシンフォニーか。いやいや、指揮者である家内のご指導の賜物というべきである。感謝、感謝!
うーん、とうなりながら毎食、ボリボリ、バリバリ、数カ月は続く。このたくわんを味わうためにも、生涯入れ歯にならんようにしよう。       (村長  平野)