いちばんたいせつなことは・・・・

暖冬のせいか、丹波はまだ雪が降っていません。でも朝方は霜で真っ白、夜はマイナス1~2度になっています。元旦は新雪世界になっているかも。


さて、今年もいろいろとありました。2月からは庭に「縄文空楽窯」を設置する小屋づくり、そして一人では窯の中を満杯にする作品数がつくれず、妹尾さんと二人で2度の素焼き・本焼き。自称として名づけた作陶の作家名はキョショウ、虚笑。これをコショウと読む人もいるが、間違っても「巨匠」をイメージする人はいない。有難迷惑をかえりみず、訪ね来る人に作品を押し付けている。「虚笑作品、十年したら値打ちが出ますかね」と、お愛想の一つでも言ってくれたら嬉しい。ちまちました作品ではなく大作を造りたいけれど技術が追い付かない。いずれNYで個展を開きたいが、それがかなわなければ西宮の入浴場で。

真夏の猛暑はもう半端ではなく、熱暑。それでも夜寝るときは扇風機もいらないほど山の冷気に救われている。極楽極楽じゃ。
お盆休みには東京から新婚さんが農的暮らしを求めて訪ねてきたが、「何も急ぐことはない。計画を立てながら助走期間を大事にしたほうがいいよ」とアドバイス。最近はとくに20~30歳代で農的暮らしや新規就農を目指す人が増えているようで、その傾向を端的にいう言葉が「サラリと背を向ける」。右肩上がりの成長といった従来の価値観に対して、反論するでもなくサラリと背を向ける、ということである。
ちなみに2016年、丹波新聞の正月号の特集が「Uターン・孫ターン」。孫ターンというのは新語だが、祖父母の田舎に遊びにきていた孫がUターン(Iターン)することを意味するらしい。そう言われて考えてみれば私も孫ターンの口である。

手のひらの宇宙BOOKsは、第6号(7冊目)まで発行した。第5号「問わずにはいられない」は、いじめ自殺や指導死で子を亡くした21人の親が執筆者。アマゾンだけで販売しているが、全国のマスコミ紙・地方紙で取り上げられたおかげで毎日注文が来ている。残部数は40部、増刷するかどうかで迷っているところ。それにしてもこの反響の大きさは、日本社会が根深く抱える「病巣」に他ならない。
手のひらの宇宙BOOKsはいま、丹波商工会編・丹波新聞企画として「おぉ、丹波よ! TAMBA」を制作中だ。これにはむろん田舎元気本舗もかかわっている。来年3月発行予定で、第8号(9冊目)となる。引き続き3冊が進行中。
春から秋にかけて関西圏(和歌山・京都など)での取材がけっこうあって忙しかったが、来年はさらに取材が増えそうだ。夏場はとくに1週間も草刈を怠ると、田畑も土手も草の海になってウンザリさせられる。農的暮らしは極楽ではあるけれど、草との戦いのときだけは戦国時代。自然農法の畑仕事をいかにして合理化するか(草とどう付き合うか)、一生の宿題である。

暖冬のおかげで薪の消費が少なくて助かっている。それでも3月末~4月初めまでの薪ストックは足りない。そこで昨年来気になっていた庭のケヤキの大木2本を伐ることにした。このケヤキは10年ものを移したので20年数年になる。高さは15~16メートル、枝は周囲に7~8メートル広げている。あと数年もしたら隣家の庭にも大きな影をつくりそうで、伐るタイミングとしてはいましかない。根本からバッサリ伐ったら周りの庭木を痛めてしまうので、クレーン車を頼んで・・・とも考えていてけれど、まぁ何とか一人でやろうと。

まず太枝から伐っていかないことにはということで、梯子にのぼってチェーンソーで太枝を一本一本伐っていった。樹の上でチェーンソーを使うなど大変危険なことではあることはわかっていた。用心に用心をもって、1本目の最後の太枝を伐りおえようとした瞬間、チェーンソーが膝に落ちてきた。「あっ!」という間もなく、ズボンの上から膝の肉を切り、長さ5センチ、深さ1センチの割け傷。この12年間、何度か「ひやっ」としたことはあったけれど、「ついにやったか!」と他人事のように思った。

慌てず慌てず、とりあえず家の薬箱から消毒薬で傷口を洗い、包帯をきつく巻いて作業を続けた。カミさんは「病院に行ったら」と心配してくれたが、2週間たったいま、割けた傷口を防水処置しなくてもお風呂に入れるまでに回復している(若いなぁ・・・と自ら感心)。
しかし笑い事ではない。後日談。知人にこの話をしたら「救急車を呼ばなかった?!」と驚いていた。チェーンソーにはくれぐれもご用心を!!
2本のケヤキの収穫がご覧のとおり(右最上、中左)。
ケヤキ2本が20年間で蓄積した炭素エネルギーだが、我が家の薪ストーブの40日分くらいだろうか。


さてさて、今年もいろいろありました。TPPの批准、テロの頻発、難民問題、原発処理と再稼働・・・、溜息の出ることばかり。ですが、これからも「手のひらの宇宙」から目には見えない世界の動きも見て考えて行動するとしよう。いちばんたいせつなことは何かと考えて。

ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。
いちばんたいせつなことは、目にみえない。 
(サン・テグジュペリ「星の王子さま」より)

良いお年を。 
そして来年は輝かしい1年になりますように。
(2015.12.30)  村長 平野