孫ターン

篠山市に孫ターンした男性に出会った。孫ターンとは、祖父母が住んでいる土地、もしくは住んでいた土地に孫が移り住むこと。

この男性は、祖父母が亡くなり、空き家になっていた家に都市部から移り住んだ。仕事のやり取りはほとんどメールなので、移住しても仕事での支障はないという。▼篠山市、丹波市ともに人口減少が課題になっている。減少を食い止める手立てとしてU・Iターンの促進が言われているが、Uターンの“変形”とも言える孫ターンも促進したい。▼農業をしたいという若者が少なくないが、祖父母の家に農地があれば比較的スムーズにその夢がかなう。田舎暮らしを望む若者にも孫ターンはうってつけ。地域とつながりのある祖父母の人的ネットワークで、地域にもすんなり溶け込めよう。▼田舎で生まれ育った子ども世代は、田舎のマイナスの側面に嫌悪したとしても、盆や正月などに祖父母の家で過ごした孫世代には、田舎での楽しい思い出だけが記憶されているものだろう。先の男性も、その記憶が孫ターンした理由の一つになっていた。▼子ども世代が都市部に出て経済成長を支えてきた右肩上がりの時代はすでに終わった。田舎暮らしに自分らしい生き方を求める孫世代の人たちに「ルーツの地に戻っておいでよ」と呼びかけたい。(Y)

丹波新聞「丹波春秋」より 2015年11月22日