稲刈り後に、律儀で正確な花時計

毎年同じ言葉が出る

 子どものころは2学期が近づくお盆過ぎになると寂しさを感じたものだった。だが、いまは山国の丹波でも長い夏が耐えがたく、一日も早く秋になってほしいと思う。
 そして、稲刈りがほぼ終わる9月中ごろになると、誰に言うともなく、毎年同じ言葉が口をつく。
「それにしても不思議だなぁ・・・。彼岸花が今年も時間を計ったように咲いた」

丹波の稲刈り風景.pdf

曼珠紗華の首飾り

 冷夏でs-DSC_1191431 -.jpgあろうと、残酷なまでの猛暑であろうと、9月15日にはかならず土手のどこかに顔をs-DSC_1191433.jpg出している。この律儀で正確な花時計に、秋を感じてホッする。地域によっては「死に花」と言って家には持ち込まない花だそうだが、曼珠紗華という美称もある。こんな曼珠紗華の首飾り、恋する万葉人たちもつくったにちがいない。
稲刈りがすんだ田んぼの空間が広がり、あちらこちらで野焼きの煙がたちのぼる。もうすぐ曼珠紗華が一斉に咲きはじめる。

天と地の中ほどに咲け曼珠紗華  空太

(2011.9.16 TH)