支え支え合うオーガニックなサイクルを  福井佑実子

畑から食卓までオーガニックな生態系を
障害のある人の働く場づくりをミッションに、株式会社プラスリジョンを立ち上げて7年目になります。

淡路島で有機栽培された規格外の玉ねぎを生産者から買い取って、障害のある人たちが通う福祉施設であめ色になるまで炒め「オニオン・キャラメリゼ」という調味料を商品化しています。
「オニオン・キャラメリゼ」はオーガニックレストランや「大地を守る会」など有機宅配や百貨店など全国で販売しています。原材料は有機玉ねぎのみ。化学調味料や香料着色料はもちろんのこと油も塩も砂糖も使かわずに炒めあげています。
素材の味が濃く美味しいから余計なものを入れなくても玉ねぎ本来の甘みとうまみがしっかりあります。カレーやソースの原料にしてもとってもおいしくなります。「オニオン・キャラメリゼのスープ」も開発しました。塩分控えめでありながら素材の旨みを引き出したやさしい味のスープです。食事制限のかかっている人にも食べていただける仕様で完成させました。
「発達障害や知的障害のある人もあんなこともこんなこともできるよ」と実証したくて農産加工をはじめましたが、思ったとおりでした。事業があって、働きやすい環境があれば、人は能力を開花させる可能性があると実感しています。環境(合理的配慮)が整えば、わたしが思っていた以上にできることがわかりました。
今は「畑から食卓までオーガニックな生態系をつくりたい」とも思うようになりました。そこには、障害のある人の参画も自然とあって、一般企業への就職とはまた違う地域に根ざした働き方や生き方がそこにあると思うからです。

モチベーションの原点は?
でも、なぜ、わたしがこんなことをすることになったのか? わたしには障害のある兄妹がいるわけではないのです。記憶をさかのぼってみると、小学生の頃の経験がひとつ影響しているのだと思います。
 
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手のひらの宇宙「食と農と里山Vol.1」より
(あうん社 2014年11月11日発行)