奥丹波 そば街道をつくろう! 佐藤勉

定年後の生き甲斐起業・そば屋「そばんち」
定年後の生き方をどうするか?
このテーマは43年間、一つの会社を勤め上げた男にとって大問題だった。

自分がどうなっちゃうか? 大きな不安を持ちながらも自分の意志だけで色々なことをやれることに相当魅力を感じていたからだ。
これまで、自立したい思いを諸々の事情で踏み切れなかったが、ようやく思いのままにことが出来るということでワクワクしながら様々なことを思い描いた。
結論!「古民家でそば屋」
そして、59歳(定年1年前)で出した結論が「古民家でそば屋をする」であった。
その結論に至ったのは、
①そば打ち体験で打って食べたそばが美味しかったこと、
②古民家を自分の手で改造(いじくり回す)することに魅力を感じていたからで、幸いその二つは相性が良い。
結論が出てからは、候補の古民家を探し回った。ところが60歳の定年が62歳まで延長することになってしまった。ホントはそば屋開業へ全力をあげたかったのだが、結論は出ていたので仕事の合間に古民家捜しを実行、遂に丹波市市島町梶原125番地の古民家を購入した。
待ちに待った2005年6月、遂に定年退職がやってきた。

退職後の次の日の朝!
今日は?会社へ行かなくていいんだ。嬉しい退職後の自由な時間があるんだという喜びが湧いてくるかと思ったら、今日から会社へいけないんだ、という寂しさの方が強かったことに、自分で「あれっ!なんなのこれ?」と戸惑った。出勤していく人たちを見ると羨ましくさえ思う。
43年間勤め上げた男の魂が寂しがっていたのだった。しかし、そんな男の魂に何時までも付き合ってはいられない。生き甲斐起業の古民家でそば屋開業に手をつけなくちゃ!

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手のひらの宇宙「食と農と里山Vol.1」より
(あうん社 2014年11月11日発行)