ガラスバッジって何か、知っていますか?

先日、南相馬市の小澤さんから「ガラスバッジ」についてのブログが送られてきました。

そのブログにざっと目を通しましたが、何のことかさっぱり。写真もないのでイメージできないのです。
そこで小澤さんに率直な感想をメールすると、さっそく次のようなメールが届きました。ぜひご覧ください。そして出来れば拡散してください。 2015.1.19  村長 平野

以下、小澤さんからのメール。

平野さま、小澤です
ご指摘ありがとうございます。知らないものは知らない、関西にお住まいであり、まさにそのとおりです。しかしながら、「未知なる原発を考える」特集を続けてこられた平野さまには、「子どもたちがガラスバッジを着けて生活することの矛盾」について噛み砕いた発信をしていただきたく、ご説明を申し上げます。

まず、添付しました一枚目の写真「ガラスバッジを着ければ汚染地に住めるの?」をご覧になってください。子どもたちが縁石に座り、かき氷らしきものを食べています。

フクシマの原発事故以前には、ごく普通に見られる光景でした。しかし、よく観ると子どもちの左腰にはガラスバッジが着いています。ガラスバッジとは、放射線管理区域において、放射線従事者が体に装着して累積被ばく量を知る手がかりにする放射線測定機器です。

たとえば、医療機関で胸部X線を撮影するときに、放射線教育を受けた従事者は胸などにガラスバッジを装着します。その上には放射線を遮へいするためモノ凄く重い鉛のエプロンを着けます。臓器などの体幹部の被ばく量を最小限にするためです。X線の照射時間は、0.02秒(1/50秒)ほどです。

(1) 放射線管理区域へは教育を受けた者しか入れません(受診などの一時入域を除きます)

(2) 18歳未満の滞在は許されません(放射線に対する感受性が強いためです)

(3) 決められた装備が必要です(被ばくの低減をはかる防護措置です)

(4) 10時間以上の滞在は認められません(翌日までに損傷した細胞が回復しなくなるからです)

(5) 床に座ったり寝転がったりしてはてはいけません(放射線源との接触被ばくを防ぐためです)

(6) 飲食は禁止されています(内部被ばくを防ぐためです)

(7) 排泄も禁止されています(体を露出すると放射性物質が付着するからです)

(8) 被ばく量の管理が必要です(場と個の管理が必要です)

写真の子どもたちに話を戻します。土壌や環境の汚染基準からして、写真の場所は明らかに放射線管理区域に相当します(放射線管理区域とは、基準に達するおそれのあるところで、現に基準に達していない場合も該当します)。

しかし、決められた装備をせず、座って飲食をしています。東日本の大気中には、PM2.5 よりも微細な放射性物質が浮遊しています。身の回りの放射線ばかりか、コンクリート製の縁石からも放射線がでており、子どもたちの生殖器などが被ばくしています。それでも、子どもたちは無防備です。国や行政が、本当の放射能汚染を認めず、注意喚起情報すら出さないからです。ひとつだけ守られているのは、ガラスバッジで自分たちの被ばく量を計測していることだけです。しかし、補償つきの避難の権利を与えず、放射線従事者が着けるガラスバッジを、子どもたちに着けさせて居住を強要するのが、国や行政のやり方です。しかも、環境中では正確な数値が記録されないガラスバッジを着けさせて、データ取りのためモルモット扱いにしています。

(接触による生殖器の被ばくについては、私のブログに記述があります。この場所での放射線量は別の写真に示しますように、0.332μSv/h、1,000cpm = 4Bq/cm2で放射線管理区域相当です。実際に福島県南相馬市の相馬野馬追い会場の土壌計測結果は、2014年9月に13.1Bq/cm2と驚きの数値を示しています。休日には、そこでホコリを舞上げ少年少女たちによるサッカーの試合が行われ、レジャーシートを敷いて休憩や昼食をとっています。当然ながら注意はしていますが馬耳東風の様相です。 http://yaplog.jp/bukoneko1/archive/25

ガラスバッジを着けながら、放射線管理区域相当の汚染地で子どもたちが生活をするということが、どのようなことかお分かりいただけたでしょうか。子どもたちの人権は完全に無視されていますが、メディアも全く取り上げません。こんなことは、絶対にあってはならないことです。

福島県の子どもたちの甲状腺検査を描いた映画があります。その中に、ガラスバッジを着けている子どもたちが出てきます。2分50秒あたりです。

'A2-B-C' (TRAILER予告編) thyroid cysts and nodules in Fukushima children
http://youtu.be/ZD9yGONdEUY

この子どもたちのお母さんには、私もお世話になっています。お母さんを知っているだけに、国や行政がマトモな除染もせずに、このような環境で生活せざるを得ない現状に追い込んでいることに怒りがこみ上げてきます。原発事故や放射能のことは忘れ去り、オリンピックに浮かれた国と国民は、いったい何をしているんでしょうか。原発再稼動ありきの今のままでは、10年以内にフクシマのような過酷事故が起きるでしょう。その時は、全国民がガラスバッジを着ける生活をせざるを得ないでしょう。いまガラスバッジを理解していただきたいのは、このような理由からです。

週刊誌などで、ガラスバッジの問題点を取り上げていただこうとしていますが、あらためてガラスバッジの認知度を知ることができて、たいへん参考になりました。