真っ直ぐに月を目指して初参り

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。


除夜の鐘が遠くに響く農道をカミさんと二人して熊野神社まで初詣。
西空には楕円に近い月が農道を煌々と照らしている。時折、雲が月を隠すがすぐ風に流され、懐中電灯がいらないほど明るい。風の冷たさも心地よく、眠くて気だるかった身も心もシャキとさせられる。

西空に更待月(ふけまちづき)や初詣

野上野集落の熊野神社までは徒歩20分。神社に参拝、引いたおみくじは「吉」と出た。その神の言の葉はなかなか味わい深い。焚火の周りには7、8人の参拝者。宮当番だった昨年の元旦は、寒さが厳しく、火を絶やさないよう薪木を何度も運んだことを想いだした。
宮当番の世話人からお神酒とトン汁を馳走になり、くじ引き4等(ハズレ)の粗品をもらって早々に引き揚げる。その帰り道に浮かんだ句は、

初参り月も酔うてか帰り道

レンタルビデオ「NOAH(ノア)」を観はじめたが、途中眠くなって中止。4時頃就寝。
元旦は十時過ぎに目ざめる。
予報は雪だったが、快晴だ。「お酒を飲んだら散歩に行けないからミッチィーも可哀そうよ。朝食前に散歩に行きましょう」カミさんが言うので、霜柱が出た地道を小一時間ほど歩く。見慣れた里山風景も心なし新鮮で、頬を突き刺す寒風もとても気持ちがいい。

元旦やはるかな山に綿帽子

元旦や犬にひかれる霜の路

散歩から帰り、お屠蘇・ぞうに・正月料理を堪能。ほろ酔い気分になり薪ストーブのそばでハニー(フーコが亡くなってからもらった9か月の愛猫)と寝転んで昨夜中止していたビデオ「ノア」を観る。
ノアの箱舟の神話物語を題材に、人間の原罪、弱肉強食・善悪争う世界がなぜ現代も変わらず続くのかということを伝えている。今の世もたしかに善悪二元論が幅をきかせ正義や復讐・憎悪が渦巻いているけれど、東洋人にはなじまないぞなもし。日本人には「古事記」ぞなもし。

年賀状の返信を書いているうちに吹雪いてきた。小さな粉雪がしだいに牡丹雪のようになり、賀状を書き終えた夕刻には20センチほど積もっていた。




舞う雪やしんしんしんしん里の夢

病床で俳句という手のひらの宇宙を拡げた子規の句集を詠んでいた影響で俳句をひねってみたが、写生はなかなか難しいぞなもし。
でも今年は「俳句元年」の歳と決めて、懲りずにひねってみようぞなもし。

                  2015年元旦 村長・空太