IT世代の田舎Lifestyle? サトヤマ×ワカモノ?  安達鷹矢

都会に飽きたワカモノ
今、田舎暮らしに憧れる都会の二十代のワカモノは、5人に1人、いや4人に1人くらいはいるかもしれない。

では実際、田舎に移住した若者たちはどんな理由がいちばんなのだろうか?
田舎暮らし・のんびりとした生活に漠然と憧れた。安心・安全な食・健康を求めて移住した。
都会の暮らしに疲れてしまったから。はたまた、仕事が上手くいかなかった、というだけなのか。
僕の場合は、そのどれでもなかった(結果として得たものはあるが)。僕は、一人のワカモノ
として「田舎の里山」に未来を見た。
少し僕の経歴を遡らせてもらいたい。大阪府の高槻市という、新興住宅が建ち並ぶベッドタウ
ンに生まれた。サラリーマンの父と専業主婦の母、現在機械メーカーに勤める兄の4人家族。いたって平凡な家庭そのもの。何不自由なく学生時代を過ごさせて貰い、関西の大学に進学。ストレートで卒業し、楽天株式会社に新卒で入社した。そのまま仕事を続けていれば、お金にも仕事にも困る事ない生き方ができただろうなと思う。じゃあなぜ辞めたのか、なぜこの時代に田舎へ移住したのか。答えは一言。「好奇心のアンテナが、田舎(丹波・篠山)に集まる人たちに向いたから」。
都会より田舎にたくさんの面白いものがあり、人がいると、僕はそう感じた。

大学時代の活動と浮かんだ疑問
僕が在籍していた大学と学部は、関西大学・社会学部・マスコミュニケーション専攻。主に情
報を発信する、発信者としての知識を学ぶ学科だった。
僕には大学生の時代から、そして今も情報発信に興味を持つ理由がある。大学2年生の時に田舎を一人旅している時、和歌山で純粋な100%のオレンジジュースを作っていたみかん農家さんと出会った事だ。その農家さんはお会いしてすぐにジュースを持って来て、僕に飲ませてくれた。
「どや、美味いやろ?」と聞かれたものの、強烈な酸味で既に顔は酸っぱい顔。
「えっと……、美味しくないです」と答えると、「お前、言うなあ!」と笑いながら色々なジュー
スを試しに飲ませてくれた。すると、確かに美味しい。みかんの味がこれでもかという程に感じられて、すっぱさも自然に甘く感じてくる様になる。その時に、最初僕の舌は市販で売られている100%のオレンジジュース(砂糖や甘味料が入っている)をイメージしていたから、この本物のジュースを酸っぱいと感じたのだなと気づいた。
そして同時に、この本物の味が世の中に受け入れられづらいことを知った。保存が効かない上
に、価格が高い。僕の舌(世間)が甘いオレンジジュースを求めていることを純粋に寂しいなと思ったことを覚えている。

続きはこちらPDF(adobe) 安達鷹矢さんの原稿

手のひらの宇宙「食と農と里山Vol.1」より
(あうん社 2014年11月11日発行)