西洋の味がいつのまにか“日本の味”に 地産地消で変わりはじめた「日本のパン食」のいま

本連載は基本的には日本の食文化の周縁を取材し、探訪記事にしている。その流れから言えば今回のテーマ「パン」は世間一般の常識からいえば〈日本の文化〉と思われないかもしれない。

パンは西洋社会の象徴的な食べ物。はるか数千年も昔、メソポタミアの頃から存在し、古代ローマ、ポンペイの遺跡から発掘されたパンの化石は製法的にも現在のものとほとんど変わりがないという。
 キリスト教にとってイエス・キリストの肉とされるパンが重要であることはいうまでもない。パスツールが発酵のメカニズムを発見するまで、パンは神秘的な存在だった。生地がどうして膨らむのか、わからなかったからだ。
 理由がわからなくても人々はパンを焼き続け、今では世界中で食べられているパン。
『パンの歴史』を著したスティーブン・L・カブランは同書のなかでこう語っている。
「パンは物質と象徴、経済と文化の交わるところに位置している」

続き DIAMOND Online  食の研究所「ニッポン 食の遺餐探訪」