丹波里山くらぶ  神池寺合宿レポート

お世話になっている身近な山  s-DSC_0033.jpg

 
発起人の一人として参加したNPO丹波里山くらぶは、今年で満4年になる。これまでは私が住む春日町の山の手入れと古道の整備をやってきたが、このエリアの整備はほぼ完了したので(山の整備に完了はないのだが)、以前から目標にしていた神池寺の広大な寺域・妙高山の手入れを
s-DSC_117291.jpg
することになった。田舎元気本舗は、標高564.8メートルの妙高山のふもとにある。農体験ツアーでも何度か神池寺会館を使わせていただき、いろいろと"お世話になっている"身近な山だから、個人的にも奉仕でお返しをしたい気持がある。 

s-DSC_0038.jpg1300年の歴史・丹波随一の修験場であった神池寺

 神池寺は718年の開創といわれ、天台宗中本山としてかつては丹波随一の修験場とし栄えた。中世には寺院56堂、1000人ほどいたという僧侶が寝泊まりする僧坊が約200もあり、山全体が寺院の様相を呈していた。明智光秀の丹波攻めで2度の焼き打ちにあったり、明治の廃仏毀釈でも大打撃、昭和40年には大型台風で本堂全壊という苦難をくぐり、かつての繁栄の面影は石垣などにとどめる程度。現在は檀家も数件しかなく、ご住職(荒樋榮 s-DSC_0010.jpg 晋住職)ひとりでお守している状態だ。観光で訪れる人も少ないが、もみじの名所でもある。というわけで、こんなに晴らしい歴史や自然環境を守り伝えたいという私たちの申し出を、荒樋住職も喜んでくださっている。

林業のプロの指導のもと

 新たなスタートの第1回目として神池寺会館に合宿(神池寺キャンプ、 2011.7.29~30)。29日午後2時から林業のプロ・西田さん(西田林業研究所代表)の指導のもと、参道沿いの山で2時間ほど作業をした。夏山は見ているだけなら涼しげだが、森のなかで作業をすると蒸し暑い。たちまち汗が噴き出してくる。
杉やヒノキだけの人工林の間伐は、適度な間隔で成長の悪い木を切り倒したり、枝落としをして森全体の日当たりをよくしていけばよい。しかし、神池寺の森は自然林で保安林でもあるので、木々の植生や生態系をよく考えながら伐採していく必要がある。そこは若いが林業で生計をたてている西田さんが里山くらぶのメンバーにもなってくれたので心強い。
「保安林でなければこの木も伐りたいところですが、いまは残しておきましょう」などと言いながら作業をすすめていった。

モミ、アカガシ群落の妙高山

s-DSC_0018.jpg

作業のあと一休みしてから、宮川五十雄さん(生物多様性かんさい代表、丹波の森研究所研究員)のガイドで、本堂裏から山頂にむかう山道を散策した。あまりアップダウンのない山道で、整備もされているのでとても歩きやすい。大木が生い茂る森は明るく、気持がいい。
「あっ、聞こえましたか。あの鳴き声は、黒ツグミですね」
その歌声は、「ホイホイ、ピリョン・・・」というらしい。"高嶺の花のような野鳥の一種"で、バードウオッチャーの憧れの的らしいが、わが家の裏山(妙高山の里山)でもよく聞いている。
「あそこに見えるのは、土あけび。葉緑素のないランです。胞子をとばして、限られた土壌にしか生えてこない」
s-DSC_mamushi.jpg「人による大規模な改変がない自然の植生を、潜在自然植生と言います。丹波にもわずかに残されていて、この妙高山は"モミ、アカガシ群落"にあたります。もう少し標高が高いとブナの森ができます」
宮川さんのそんな解説を聞きながら、ゆったりした気分でカシの奇木、けやきの巨木などに感嘆の声をあげていると、マムシに遭遇。忍者のようs-DSC_0013.jpgに枯れ葉にまぎれていたが、こんな高所にもいるのに驚いた。うっかり踏んづけたりしたら噛まれるので、野花さん(理事長)が棒きれの一撃でしとめた(蛇は、人を見るとスルスルと逃げていくがマムシはふてぶてs-Turdus_cardis2.jpgしく逃げようとしない。だが、急いでカメラのシャッターをきったのでピンボケに)。

 

 

写真:黒ツグミ(ウィキペディアより)

 これから何年もかけて遊びましょう

 神池寺会館を拠点に、田舎元気本舗が3回実施した丹波ニューツーリズム(農体験ツアー)では、食事の準備などに追わs-DSC_0042.jpgれてゆっくりこの境内を散策する時間がなかった。初めて見るこの山の植生は美しく、ほんとうに価値ある自然林であることに感動した。
散策のあと、生ビールで乾杯。荒樋住職から寺の歴史、宮川さんから改めて妙高山の魅力について、NPOサウンドウッズ代表・能口修一さんからは丹波の森再生計画、西田さんと話が続き、まじめなお勉強も1時間あまり。それから、しし鍋をかこんで夜遅くまで話し込んだ。

s-DSC_0060.jpg

森や山は年々変化する。まして広大な妙高山のなかにある神池寺境内。これから何年もかけて山の手入れをしていくことになるが、里山くらぶには多士済々の人脈ができてネットワークとしても面白い。山を整備するというよりも、自然林のなかで遊ばせてもらうという気持でやらないと長続きしない。都会に住む方たちも、森林整備や自然観察に感心のある方は歓迎します。私たちのくらぶに参加して一緒に遊びませんか。  (2011.8.1  村長 平野)

 以下は、理事の芦田徳幸さんが作成したレポート(デジブック)

http://www.digibook.net/d/30c5a55790188c8ce53aaac5fa06519a/