村の衆は、ちゃんと見ているんだなぁ・・・

「平野はん、田んぼに肥料やらんの?」 午前11時頃、ぶどう棚の周りに防鳥網を張る作業をしていると、Yさんが軽トラに乗ったまま言った。

「えっ? やるんですか? ぼくは肥料は一切やらないつもりなんだけど」
「平野はんの田んぼ、みんなが肥料不足だと言ってたよ」
「え~っ、みんなが・・・。で、Yさんは化学肥料をやってるの?」
「いまやってきてところや。よかったら、平野はんの田んぼにも今からやってあげるけど」
「いやぁ、すいませ~ん。せっかくですけど・・・」
「わかった。それじゃ、また」
「ありがとう!」
Yさんは「みんなが」と言っていた。村の衆は、ちゃんと見ているんだなぁ・・・と可笑しくなった。それが、田舎暮らし、ということなのだ。

この春、ふとん栽培での米作りは、今年で3年目になるYさんの指導で始めた。なので彼は、初心者のぼくに何かと気を使ってくれる。ありがたいことだけれど、自然農法でいきたい(Yさんの親切をあっさり断ったことがちょっと気になり、この後、電話で礼を言った)。

でも苗に元気がないと言われては・・・それも気になる。自然農法のアイガモ栽培をしている藤田さんに早速電話して尋ねた。
「うーん、うちは苗の間隔は30センチあるから・・・。平野はんの田んぼは苗の間隔が狭いみたいだから・・・どうかな。株の根っこが肥料の取り合いをすると収穫は落ちるから・・・」
「それじゃ、米ヌカでも撒いておこうかな」
「そのほうがいいかもしれん。撒かないよりましだね」
「わかりました。ありがとう」

夜になってから、丹波カデンでの米作り4年目になる恩田さん(神戸在住)に電話した。恩田さんは、自分で発酵有機肥料をつくって、田畑に入れているので、その肥料作りについて尋ねた。
環境に優しい肥料 「保田ぼかし」のことを教えてくれた。これは、有機農業の先駆者・保田茂先生(元神戸大学教授・兵庫農漁村社会研究所理事長)が考案したものだ。
ぬか6:油粕3:魚粉2:牡蠣殻1:水2の割合でよく混ぜて、ビニール袋に入れて20日間発酵させるのだという。
「1反あたり30kgだから、3.5畝なら10kgあれば足りますよ。稲穂が出る前にやらないといけない。間に合わないといけないから、それぐらいならうちのをあげますよ」恩田さん。
「ありがとうございます。自分でも作ってみますけど、お言葉に甘えて・・・」

というわけで、いま水抜いている我が田んぼの稲は丈50センチほど。見た目はすくすく元気に育っている(株の分けつは少ないかな?)ようだけれど、「保田ぼかし」でさらに元気になってもらうことにしました。ジャンジャン!(2014.7.20) 村長 平野

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