高齢者から聞き書き…郷土料理、後世に残す調査

調理の研究者らで作る一般社団法人日本調理科学会が、全国の高齢者らに家庭料理について聞き書きする調査を行っている。

日本の食生活が大きく変化した1970年代頃までの食事に焦点を当てる。全国的な調査は珍しく、郷土料理の伝承が難しくなる中、貴重な記録になりそうだ。
長野県短大教授の中沢弥子(ひろこ)さんは5月、聞き書き調査のため他大学の研究メンバーらと4人で長野市の山あい、鬼無里(きなさ)地区を訪ねた。郷土料理に詳しい小林貞美さん(84)らから、若い頃の食事の様子や行事食、農作業の内容などを聞いた。
「昔は人が多くて楽しかった。大変だったけど助け合ってね」と小林さんらは、懐かしそうに答えた。麻と畳糸の生産が主要産業で、米はあまりとれず、そばをそばがきやお焼きにして食べていたという。各家庭でみそを仕込み、秋には野沢菜漬けやたくあん漬けを作り、冬になると大根を1本丸ごと干して乾燥させた。小林さんは「この辺りは高齢者の独り暮らしばかり。無駄なくおいしく食べる方法を後世に残してもらえたら」と話す。中沢さんは「味や食感が豊かになるよう野菜の加工方法を工夫するなど、知恵が詰まっている」と感心していた。
日本調理科学会は2013年度に全国47都道府県で聞き書き調査を実施。今年度は補足の調査を行っている。約340人の学会員が携わった。

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