たんぽぽや 沢庵の音 唯我かな

一昨日(8日)はお釈迦さんの誕生日。訪ねた法楽寺(大阪・田辺)の本堂前に、花まつりの”唯我独尊”の仏像が安置されており、そこで何年ぶりかの甘茶をいただいた。

少し渋みのあるなんともやさしい甘さだこと。
甘茶の味を思い出しながら、今日はシンと静まった午後。台所の隅っこの椅子に座って、ひとり昼飯を食べながら、窓の外を眺めていた。
朝は満開の桜を喜んでいるように、あれほどにぎやかだった鶯やほかの鳥たちは昼寝でもしているのだろうか。
庭のたんぽぽが明るい陽射しを気持ちよさそうに浴びて輝いている。なんと鮮やかな黄色だこと、と思いつつ見とれていた。
ふと気づくと、ばりばり、ぼりぼり、というリズミカルな音がする。沢庵を食べている音だ。その人は、まさに自分自身であった。自分がいま生きていて、沢庵を食べているということを、沢庵の音みずからが知らせてくれた。
シンと静まった春の午後、たんぽぽを眺めながら一人沢庵を食べている。これを幸せと言わずなんと言おう。

たんぽぽや 沢庵の音 唯我かな   空太   (2014.4.10)