浮体式洋上風力発電事業への挑戦

日本は広大な海を有しています。国土面積では世界62位の日本ですが、排他的経済水域では世界6位です。その面積は、1位アメリカの約6割


日本における風力発電
日本では平地が少ないことから、陸地での大規模な風力発電設備の設置は困難です。そのため、風力発電所あたりの風車の設置基数が少なくなってしまい、世界と比較してコストが高くなるなどの理由から、風力発電の導入量は大きくは伸びていません。
一方で、日本は広大な海を有しています。国土面積では世界62位の日本ですが、排他的経済水域では世界6位です。その面積は、1位アメリカの約6割で、洋上風力発電の賦存量は、日本の発電設備総容量のおよそ6.5倍にあたる1,600GWと試算されています。
例えばこの賦存量の1.5%を活用することができれば、発電設備総容量の10%に相当します。洋上風力発電の開発を進め、日本における再生可能エネルギー源の柱の1つになることが期待されます。

洋上風力発電
洋上で風力発電を行う場合、風車を設置する海面は平らで風をさえぎるものがないため、大規模化が可能です。また、人々の住居から遠いため、騒音、低周波や、風車の羽根の影が回転することで明暗が頻繁に繰り返されるシャドーフリッカリング等の問題もありません。低周波は海中に届かないこと、そもそも洋上には陸上に比べて鳥が少ないことから、人間以外の生物への影響も陸上風力発電より少ないと考えられます。
洋上風力発電は、着床式と浮体式の2つに大別されます。着床式は、世界的には実績が豊富で、水深25メートル以下では浮体式よりも低コストで運用できると言われています。また、洋上に設置する変電所は固定されるので、陸上と同じものを使うことができます。
しかし、日本では5MW以上の大型風車を着床式で設置した実績がないためノウハウが蓄積されておらず、加えて専用の据え付け船もありません。据え付け船を借りるためには1カ月あたり6億円もの費用が必要になります。
また着床式では、海底の地盤を利用して固定するため、地震・津波、台風による高波の影響を受けやすく、地震や台風の多い日本では、供給の安定性への影響が懸念されます。水深の浅いところにしか設置できないため、場所が限定されてしまい、あまり規模を大きくできないという問題もあります。
それに対して、浮体式では、専用の据え付け船を必要とせず、海底工事もほとんどありません。水深が50メートルを超える海域が広大にあることから、大規模化も可能です。固定されていないため、地震・津波や高波の影響も回避できます。
もっとも、浮体式洋上風力発電は、数年前からノルウェーやポルトガルで実証研究が始まったばかりです。いずれの実証研究も、浮体式洋上風力発電設備1基のみを建設したものであり、将来、大規模浮体式洋上ウィンドファームを実現するためには、浮体式送変電システム技術確立などの技術的な課題が残されています。 JFS ニュースレター No.138 (2014年2月号)

詳しくは ジャパン・フォー・サステナビリティ

※情報提供: 知恵クリップ・パートナーズ