豆しとぎ

青森県南や岩手県北で食べられている郷土料理。神への供え物や農作業の「小昼」として作られていた。


青森県南の郷土料理「豆しとぎ」。幼いころからおやつとして食べることはあっても、親戚にもらうばかりで、自分で作ったことがなかった。時々、無性に食べたくなるあの味わいを再現できるようになりたいと、今月上旬に南部町立中央公民館で開かれた「南部町女子会」に参加させてもらった。(佐々木萌)

地元の活性化に取り組む「町地域おこし協力隊」が主催し、男性数人を含む18人が参加。20~60代と幅広い年齢層に驚いた。旧名川町出身の松倉弓子さん(64)が講師として各班を指導した。
材料は青豆900グラム、米粉900グラム、砂糖500グラム、塩適量。作り方は至ってシンプルで、ゆでた青豆をフードプロセッサーにかけ、米粉、砂糖、塩とこね合わせて楕円(だえん)に形成する。
主婦としての感覚がさえ渡る皆さんからアドバイスをもらって進めた。うっかりやってしまったのが、青豆を細かくしすぎたこと。豆の食感を残すのがコツで、他の班の豆を味見したら納得した。普段は意識して食べていなかったが、伝統料理の奥深さを感じた。
慣れない手つきながらも、何とか順調に進んで形成。さらに、豆しとぎの新たな魅力を引き出そうと、事前に準備してもらったお菓子作りなどに使うチョコスプレーをくるむアレンジを加えた。
しばらく置いて、わくわくしながら一口サイズに切ってみた。しかし、断面を見るとチョコレートは豆の黄緑色に負け、完全に存在感を失っていた。チョコの風味も、豆しとぎ本来の甘さに打ち消され、あまり感じられなかった。
マッチする自信があっただけに落胆したが、これからも豆しとぎと相性がいい食材を探し出したいという“野望”も生まれた。

■豆しとぎ
青森県南や岩手県北で食べられている郷土料理。神への供え物や農作業の「小昼」として作られていたが、現在は主におやつとして親しまれている。稲作に不向きな北奥羽地方で、豆は重要な作物だった。
【写真説明】
豆しとぎ作りのアドバイスを受ける記者(左)=1日、南部町立中央公民館

続き デーリー東北新聞社 より(2014.3.26)